経済改革緊急法案が国会で否決、カントリーリスクは悪化

(エクアドル)

ボゴタ発

2019年11月25日

エクアドルで11月17日、政府が提出した経済改革緊急法案が国会で否決された。政府は税制改革を柱とする同法案の成立により、2020年までに7億3,000万ドルの税収を見込んでいた。法案では、プラスチック袋、電子たばこ、デジタルサービスへの課税や、所得が100万ドルを超える企業に対する法人税を一時的に引き上げることなどが盛り込まれていた。モレノ大統領は同日、法案を修正して再度、国会に提出すると述べた。

法案否決を受けて、エクアドルのカントリーリスクは悪化している。JPモルガンが算出しているカントリーリスク指標EMBI(Emerging Market Bond Index)において、10月初旬に680ポイント台で推移していたスコアは、政府の財政緊縮策に対する抗議活動の激化や、事態を受けた大統領が燃料補助金廃止を撤回したことなど(2019年10月16日記事参照)により、10月15日に800ポイントまで上昇し、11月18日には1,128ポイントまで悪化した。

エクアドルは2019年3月、IMFから42億ドルの融資を受けることで合意に至っており、燃料補助金廃止もIMFの財政支援を受けるための財政緊縮策の1つだった。燃料補助金廃止の大統領令が撤回されたことで、政府は今回、経済改革緊急法案を提出したが、これも否決されたため、財政健全化は難航している。

(茗荷谷奏)

(エクアドル)

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