10月の米小売売上高は0.3%増、無店舗小売りが最大の押し上げ要因

(米国)

ニューヨーク発

2019年11月25日

米国商務省の速報(11月15日付)によると、10月の小売売上高(季節調整値)は前月比0.3%増の5,265億ドルとなった(表参照)。なお、9月の売上高は0.3%減で速報値から変わらなかった。

表 業種別小売売上高(季節調整済み)

金融持ち株会社リージョンズ・ファイナンシャルのチーフエコノミスト、リチャード・ムーディ氏は「個人消費の伸びは、第2四半期の持続不可能なほど過熱したペースから、より持続可能なペースに落ち着きつつある」と述べた(マーケットウォッチ11月15日)。また、不動産投資信託業界団体ナリートのシニアエコノミスト、カルバン・シュヌール氏は「全体として、とても良いと言えるような結果ではなかったが、(少なくとも)年末にかけて個人消費が低迷するといった懸念は和らぐことになるだろう」と指摘した(「ウォールストリート・ジャーナル」紙電子版11月15日)。

無店舗小売りが最大の押し上げ要因に

業種別にみると、無店舗小売りが前月比0.9%増の679億ドルと、全体を最も押し上げた。次いで、自動車・同部品が0.5%増の1,056億ドル、ガソリンスタンドが1.1%増の430億ドルとなった。

減少した業種をみると、衣料が前月比1.0%減の223億ドル、建材・園芸用品が0.5%減の314億ドルだった。

民間調査会社コンファレンスボードが10月29日に発表した、10月の消費者信頼感指数は125.9と、9月(126.3)より0.4ポイント減少した。内訳をみると、現況指数は172.3(9月:170.6)で1.7ポイント上昇した一方、6カ月先の景況見通しを示す期待指数は94.9(9月:96.8)で1.9ポイント減少した。

コンファレンスボードの経済指標シニアディレクター、リン・フランコ氏は「現況指数は改善したものの、消費者が景況感や雇用の先行きに対する懸念を示し、期待指数が若干弱まった」と述べた。一方で、「信頼感指数の水準は依然として高く、消費者が年末商戦で支出額を減らすといった兆候はみられていない」と指摘した。

(樫葉さくら)

(米国)

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