フィッチ、2019年経済成長予測を6.0%に上方修正

(フィリピン)

マニラ発

2019年11月26日

格付け会社のフィッチは11月14日、2019年のフィリピンの経済成長率予測を6.0%と、前回(5.7%)から0.3ポイント上方修正した。2020年の経済成長予測は6.1%とし、前回から変更しなかった。

フィッチは、2019年度(暦年ベース)の国家予算の成立が3カ月半遅れたことや昨今の世界経済の減速が、上半期(1~6月)の経済成長率が5.5%と政府の目標(6~7%)を下回ったことにつながったとし、前回は5.7%と政府目標を下回る経済成長率を予測していたが、第3四半期(7~9月)の経済成長率が6.2%と、フィリピン中央銀行の予測値(5.8~6.0%)を上回ったことを上方修正の理由とし、「フィリピン経済は第3四半期に政府支出をわれわれの予想を上回るスピードで回復させ、家計支出も引き続き好調だ」と説明した。

フィリピンが予測する2019年通年での6.0%の経済成長率を達成するためには、第4四半期に少なくとも6.7%の経済成長率を達成しなければならない。フィッチは、第4四半期にかけてフィリピン政府はさらにインフラを中心に政府支出を加速させる一方、クリスマス商戦を迎える第4四半期は民間消費支出も力強い伸びをみせるとした。

なお、フィッチは現在、フィリピンの外貨建て長期国債の信用格付けを投資適格級の下から2番目の「BBB」と評価している。

(坂田和仁)

(フィリピン)

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