ミンダナオ島で4症例目のポリオ感染を確認、ワクチン接種の技術支援が不足

(フィリピン)

マニラ発

2019年11月11日

フィリピン保健省(DOH)は11月6日、フィリピン南部ミンダナオ島で、4症例目となるポリオ(脊髄性小児まひ)の感染症例を確認したと発表した。フィリピンでは世界保健機関(WHO)が2000年にフィリピンでのポリオ根絶を宣言して以降、感染は確認されていなかった。しかし、2019年9月にミンダナオ島の3歳児がポリオに感染したのを確認し、同月にはフィリピン北部ルソン島の南部にあるラグナ州の5歳児(2019年9月27日記事参照)、10月末にミンダナオ島の4歳児の感染症例を確認していた。

DOHはポリオの感染拡大を予防するため、特に罹患(りかん)率の高い5歳以下の子供に対してポリオワクチンの予防接種を行っているが、DOHにはワクチン接種率を引き上げるための技術的支援などが不足していると指摘されている。また、小児科医でDOHのヘルス・メディカル・スペシャリストのアンソニー・キャリボ氏は上院公聴会において、DOHはポリオが発生する以前から、ワクチン接種のための体制を整える必要があったと指摘した。

(坂田和仁)

(フィリピン)

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