4カ月連続で国際収支が黒字、10月は1億6,300万ドル

(フィリピン)

マニラ発

2019年11月26日

フィリピン中央銀行(BSP)は11月19日、10月の国際収支が1億6,300万ドルの黒字と、4カ月連続の黒字を記録したと発表した。前年同月(4億5,800万ドルの赤字)から6億2,100万ドル改善し、前月(3,800万ドルの黒字)比では黒字が1億2,500万ドル増えた。

BSPは改善の理由について、フィリピン政府の外貨預金やBSPの海外投資配当の増加が反映されたと説明した。

2019年1~10月の国際収支累計は57億3,000万ドルの黒字となり、前年同期(55億9,400万ドルの赤字)から113億2,400万ドル改善した。

BSPは同期の国際収支累計の改善理由として、フィリピン人海外労働者(OFW)を含む在外フィリピン人からの送金額(銀行送金ベース)が2019年1~8月の累計で過去最高の198億800万ドル(前年同期比3.9%増)に達し、2019年通年の送金額も過去最高の295億ドル(前年比1.9%増)と予測されることを挙げている(2019年10月28日記事参照)。また、10月末時点の総外貨準備高(GIR)が国全体の輸入額の7.5カ月分、短期対外債務の5.53倍に相当する857億270万ドルと、GIRが十分な流動性を保っている点を反映しているとした。

フィリピンの国際収支は2016年から3年連続で赤字となっており、特に2018年通年は23億600万ドルの赤字と、28億5,800万ドルの赤字を記録した2014年以降最も赤字幅が大きかった。

(坂田和仁)

(フィリピン)

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