8月の在外フィリピン人の送金額、前年同月比4.6%増、好調な消費を下支え

(フィリピン)

マニラ発

2019年10月28日

フィリピン中央銀行(BSP)は10月15日、2019年8月のフィリピン人海外労働者(OFW)を含む在外フィリピン人からフィリピン国内への送金額(銀行送金ベース)が、前年同月比4.6%増の25億8,900万ドルなったと発表した。

5月(26億900万ドル)に次いで2019年で高い金額となった背景として、為替相場が一時1ドル50ペソ台に突入した7月から一転、8月に一時52ペソ台後半をつけるなど、ドル高ペソ安に振れたことが1つの理由として考えられる。

図 在外フィリピン人による送金額推移

1~8月の送金額は前年同期比3.9%増の198億800万ドルで、海外労働者の職種別内訳でみると、陸上職が2.8%増の155億ドル、海上職が8.2%増の43億ドルとなった。地場銀行のセキュリティーバンクの関係者は、2019年に減速している公共投資と対照的に、好調な消費を在外フィリピン人の送金が支えており、年間で最も消費が活性化するクリスマス休暇に向けて引き続き消費を下支えし、2019年通年の送金額を前年比1.9%増の295億ドルと予測する。

1~8月の送金額を国・地域別でみると、米国が73億2,633万ドル(前年同期比11.7%増)、サウジアラビアが14億6,280万ドル(4.9%減)、シンガポールが12億5,862万ドル(2.2%増)、アラブ首長国連邦(UAE)が11億3,074万ドル(15.7%減)、英国が10億5,649万ドル(8.4%増)、日本が10億4,233万ドル(2.8%増)となった。

表 在外フィリピン人による送金元別送金額

(坂田和仁)

(フィリピン)

ビジネス短信 ee42d422bf29f689