反政府デモ参加者は24日間で370万人超、被害も拡大

(チリ)

サンティアゴ発

2019年11月20日

チリの11月12日付「ラ・テルセラ」紙によると、国内で10月上旬から続く反政府デモの参加者は、10月18日~11月10日までの24日間で、371万5,373人に上ることが分かった(図参照)。チリの人口の19.4%に相当する。州別にみると、首都圏州がデモ参加者全体の62.3%を占める231万4,356人と最も多く、ビオビオ州(5.8%)、マウレ州(4.3%)、バルパライソ州(4.2%)と続く。

図 州別デモ参加者数(10/18~11/10)

10月25日には、チリ史上最高となる約120万人が首都サンティアゴのバケダノ広場でのデモに参加した。学生や子供連れの家族、高齢者など幅広い年齢層が集まり、多くがチリのシンガーソングライターで1973年の軍事クーデターの際に虐殺されたビクトル・ハラの「平和に生きる権利(El derecho de vivir en paz)」を歌うなど、平和的に抗議を行った。

増加する犠牲者、警察にも大きな被害

チリ国立人権研究所(INDH)によると、一連のデモによる負傷者数は10月17日~11月10日までで2,009人となった。一方、チリ警察のツイッター上の発表によると、10月18日~11月13日までの累計で、反政府デモ拡大に伴う略奪や破壊行為によって拘束された人数は4,940人にも上る。警察官の負傷者は986人で、82の警察署が襲撃を受け、117台の警察車両が破壊されており、デモ参加者だけでなく、警察側にも大きな被害が及んでいる。

(岡戸美澪)

(チリ)

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