シンガポールのブロックチェーン企業、フィリピンのエコシステムに資金援助

(フィリピン)

マニラ発

2019年11月28日

シンガポールのブロックチェーン企業のビルディング・シティーズ・ビヨンド(BCB)・ブロックチェーンは11月20日、スタートアップを支援するフィリピンのインキュベーターやアクセラレーターを資金面で援助するための1,500万ペソ(約3,300万円、1ペソ=約2.2円)のファンドを設立すると発表した。11月21日付のフィリピン各紙が伝えた。

BCBブロックチェーンは同日にマニラ首都圏で開催されたセミナーで、フィリピン科学技術省所管のフィリピン産業・エネルギー・新興技術研究開発評議会(PCIEERD)とファンド設立の覚書に署名した。BCBブロックチェーンはさらにフィリピンの複数の大学との間で、研究やプロジェクト、R&Dで同社の技術や知識を提供するためのパートナーシップ契約を締結した。

スマートシティープロジェクト参入も視野に

BCBブロックチェーンのダグラス・ガン最高経営責任者(CEO)は、フィリピン科学技術省やフィリピンの大学、インキュベーターやアクセラレーターに同社の経験、資源を提供することで、フィリピンのエコシステムの確立に貢献するとともに、フィリピンでのスマートシティー開発プロジェクトに同社の技術が活用されることを期待するとしている。

PCIEERDのエンリコ・パリンギット会長は、BCBブロックチェーンとの提携により、地場のスタートアップの成長が加速されるとともに、同社の経験や知識を持続可能なスマートシティーの開発のために活用されることが期待されると説明した。

BCBブロックチェーンの技術は各国のスマートシティー開発で活用されている。ミャンマーでは投資額150億ドル、総面積120平方キロとされるヤタイ市のスマートシティー化プロジェクトで、金融やビジネスサービス、宿泊、外食、建設、公共施設、卸売り、小売り、運輸、通信といったさまざまな産業分野に同社のブロックチェーン技術が活用され、都市のスマートシティー化に貢献している。

(坂田和仁)

(フィリピン)

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