ソフトバンク・イノベーション・ファンド、ブラジル向け投資を加速
(ブラジル)
サンパウロ発
2019年11月18日
ラテンアメリカ・プライベートエクイティ&ベンチャーキャピタル協会(Latin American Private Equity and Venture Capital Association)によれば、中南米におけるベンチャーキャピタル投資は2016年5億ドル、2017年11億ドル、2018年には約20億ドルと2年連続で投資額を倍増している。中でもブラジル向け投資は、2018年が13億ドルと中南米向け投資額の65%を占めている。
この勢いを加速する存在として、「ソフトバンク・イノベーション・ファンド」の存在が挙げられる。同ファンドは2019年3月の設立時に主な投資対象分野として、Eコマースやデジタルファイナンスサービス、ヘルスケア、運輸業などを挙げており、具体的には、家庭向け製品のEコマースで工場と消費者をダイレクトにつなぐマデイラ・マデイラ(Madeira Madeira、9月に投資を発表)、自家用車を抵当に入れることで低金利のローンを可能にしたクレジタス(Creditas、6月)、フィットネスジムを横断的に利用できるサービスを提供するジムパス(Gympass、6月)、チャーターバス配車サービスを提供するブーゼル(Buser、6月)などをはじめとしたブラジルのスタートアップ企業に対し、合計で約10億ドルの投資実績を重ねている(注)。同ファンドは、ブラジル日本商工会議所のイノベーション研究会が主催する「日ブラジル・オープンイノベーション・シンポジウム」(11月18日ジャパン・ハウス サンパウロで開催)や、ブラジルベンチャーキャピタルが主催する「ブラジル・ジャパン・スタートアップ・フォーラム」〔11月22日Inovabra Habitat(サンパウロ)で開催〕に登壇し、ブラジルのイノベーションに注目する背景などを説明する予定だ。
(注)出所は、CNET、ABVCAP、ブラジルベンチャーキャピタル、現地各種報道、各社ウェブ
サイトなど。
(古木勇生、高橋ルシア)
(ブラジル)
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