北海道文化放送、サンクトペテルブルクで日本のブランド米(北海道・東川米)セミナー開催

(ロシア、北海道)

サンクトペテルブルク発

2019年11月14日

北海道文化放送は10月25日、ロシアのサンクトペテルブルク国立大学と協力し、日本の米食を中心とした食文化を発信するセミナー「おいしいごはん塾」を当地で開催した。

写真 セミナーの様子(ジェトロ撮影)

セミナーの様子(ジェトロ撮影)

この事業は、同放送が日本の総務省から受託した「放送コンテンツ海外展開総合強化事業」の一環。北海道を拠点に世界へ日本の米食文化の発信を続ける川原悟氏が講演とワークショップを担当した。講演では川原氏が日本米の特徴や栽培方法、調理方法に加えて、米食文化の歴史などを解説。その後、受講者たちは川原氏のアドバイスを受けながら、グループに分かれておにぎりを作るワークショップに挑戦。日本米を中心とした食文化を体験した。

写真 おにぎり作りに挑戦するロシア人学生たち(ジェトロ撮影)

おにぎり作りに挑戦するロシア人学生たち(ジェトロ撮影)

セミナーで使用した日本米は、北海道東川町のJAひがしかわが生産しているブランド米「東川米」。JAひがしかわは、ジェトロの地域団体商標海外展開支援事業(特許庁補助事業)に選ばれ、ロシアで「東川米」のブランド化を進めている。既にロシア極東地域への輸出実績があるが、今回のセミナーのためにサンクトペテルブルクで初めて披露された。

参加者はサンクトペテルブルク国立大学の学生を中心に約130人。大学によると、日本語学科の学生など日本に関心のある層のみならず、幅広い専攻分野の学生からも参加希望があり、予想を超える関心を集めた。質疑応答で参加者から、「コメの栽培方法の詳細を知りたい」「日本米の炊き方の留意点は」など、積極的に質問が飛び交った。

ほかの国でも同様のワークショップを数多く開催している川原氏は、ロシアの参加者の印象について、「積極的に質問がよく出ており、かつその内容が高度だ」と話し、日本米に対するロシア人の高い関心と鋭い感覚を指摘した。また、サンクトペテルブルクで日本食材店を経営するロシア企業の社長はセミナーに参加し、「世界のコメ文化が多様なことは知っていたが、今回、自分の知らない日本米の魅力を知ることができた」と話し、当地の日本食関係者にとっても日本の食文化をより深く理解する貴重な機会として受け止められたようだ。

(一瀬友太)

(ロシア、北海道)

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