米医療機器関連展示会MD&Mミネアポリスを開催、求められる商品開発・サービス展開

(米国)

シカゴ発

2019年11月08日

米国ミネソタ州ミネアポリス市で10月23、24日、MD&Mミネアポリス(Medical Design and Manufacturing Minneapolis 2019)が開催された。MD&M展は、医療品や医療機器・装置、包装技術やラベル機器などの製造技術を対象とした展示会で、2月のアナハイム市(カリフォルニア州)と6月のニューヨーク市(ニューヨーク州)、10月のミネアポリス市の3回開かれる。第25回となる今回は601社が出展し、来場者は5,000人を超えた(主催者発表・速報値)。

写真 展示会場内・製造技術エリア(ジェトロ撮影)

展示会場内・製造技術エリア(ジェトロ撮影)

写真 展示会場内・医療機器エリア(ジェトロ撮影)

展示会場内・医療機器エリア(ジェトロ撮影)

日系企業も20社以上出展しており、日系企業によると、ミネソタ州が医療機器を含む先進製造業の集積地(2019年6月21日付地域・分析レポート参照)であることから、工場を持つ顧客とのコミュニケーションを目的に出展したという声が多かった。日系出展企業によると、他のMD&M開催地と比べてミネアポリスの来場者はそれほど多くないが、単なる視察ではなく、特定の目的を持った来場者がほとんどだという。毎年、展示会でのコミュニケーションを重ね人間関係を構築することで、急ぎの発注に直結することもあるなど、製造現場としての中核都市での展示会開催を評価する声も聞かれた。

カリフォルニア州から出展した日系中堅医療機器メーカーは「米国市場は大手企業の影響力がとても強く、米系中小企業は買収されるケースが多い。取引のある中小企業が買収され、取引が急激に増えることも珍しくない」として、中小企業やスタートアップなども含めた幅広い企業との取引の重要性を指摘した。

FDA認証などの許認可制度への対応に加え、病院や医師などの医療関係者や、保険業界への適切な対応が求められる医療機器分野においては、米国企業との連携した商品開発とサービス展開が重要となる。ミネソタ州には、年間130万人以上の患者を治療するメイヨークリニック本部が所在し、メドトロニックやボストン・サイエンティフィックなどの大手医療機器企業が本社や研究開発・製造拠点を構える。ものづくり企業が集積する同州での展示会で、米系企業との連携を模索する日系企業の姿が見られた。

2020年度のMD&Mの開催は、同市では10月28、29日の2日間に決定している。

(橋本翼)

(米国)

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