憲法裁判所がケイコ・フジモリ氏の拘留解除を承認

(ペルー)

リマ発

2019年11月28日

ペルー憲法裁判所(TC)は11月25日の全体会議で、2018年10月31日から不正政治献金疑惑により拘留されていた、ペルーの最大野党フエルサ・ポプラール党(FP党)のケイコ・フジモリ党首に対する人身保護令状(ヘイビアス・コーパス)を承認した。今後、11月28日までにTCが正式に決議した後に、司法当局ならびにフジモリ氏の弁護団に通知され、釈放手続きが進められる予定だ。フジモリ党首に対する人身保護令状は、妹のサチエ・フジモリ氏により2019年7月にTCに提出されていた。

フジモリ氏の収監は、ブラジル大手ゼネコンのオデブレヒトから、2011年および2016年の大統領選挙キャンペーン中に不正に資金を受け取った、という嫌疑がかけられたことに端を発している。当初言い渡された拘留期間は、36カ月という異例の長さだったが、その後2019年9月に最高裁判所は、同期間を18カ月に減らす判決を下していた。

TCは今回の判決について、検察による捜査妨害予防措置を受け入れた司法当局の裁定が、個人の自由の権利の侵害に当たるとの見解を示している。一方でTCは、今回の判決はフジモリ氏にかかる容疑の是非を伴うものではないともしており、同氏に対する司法捜査は継続していくものとみられる。

今回の拘留により、フジモリ氏は390日以上政界から離れていたことになる。既に議会は解散しているが、2020年1月26日の新議員選挙に向けた、最大野党党首の動向が注目される。

(設楽隆裕)

(ペルー)

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