第2回輸入博国家館に64カ国が出展

(中国)

上海発

2019年11月13日

上海で開催された第2回「中国国際輸入博覧会」(CIIE)(会期:11月5~10日)は、7つのテーマが集う企業出展エリアと、国家が出展するナショナルパビリオンエリア(国家館)で構成された。

約3万平方メートルの展示面積を有した国家館には、前回より18カ国少ない64カ国と3つの国際機関が出展した(表参照)。

出展国のうち、カンボジア、チェコ、フランス、ギリシャ、インド、イタリア、ジャマイカ、ヨルダン、カザフスタン、マレーシア、ペルー、ロシア、タイ、ウズベキスタン、ザンビアの15カ国は主賓国(Guest countries of honor)として、主催国・中国の出展ブースの近くに配置された。

主賓国のうち、フランスからはマクロン大統領が開会式に参加した。唯一、2年連続の主賓国となったロシアや、今回初めて主賓国となったインド、前回に主賓国だったブラジルと南アフリカ共和国は一般国として今回も出展するなど、BRICS諸国の結束をうかがわせるものとなった。

一方で、米国は前回に続いて今回も国家館には出展せず、カナダは前回は出展したものの、今回は国家館への出展を見送っており、華為技術(ファーウェイ)幹部の拘束などによる中国との関係悪化などが背景にあるとみられる。

中国のブースは建国70周年を強調した装飾だった。「創新中国」「開放中国」「美麗中国」「幸福中国」などの標語が掲げられ、イノベーションや自由貿易区による開放政策の成果などをアピールした。特に「幸福中国」と名付けた展示エリアでは、2020年末までに国内全地域で貧困を撲滅するとして、目標日までのカウントダウン時計が設置された。

台湾、香港、マカオについては、中国ブースの中に「台湾『融』」(台湾との融合)、「香港『進』」(進み続ける香港)、「澳門『荟』」(中国と西洋をつなげる澳門)と、それぞれキャッチフレーズに沿って展示された。香港とマカオは前回と同じフレーズだったが、台湾は前回の「親」から「融」へ言葉が入れ代わっており、中台関係については従来の「親しい」関係性にとどまらず、さらに相互交流を深め、中台間の「融合」を目指していこうとする中国側の姿勢がうかがえる。

表 国家館の出展国・機関一覧
写真 国家館の入り口(ジェトロ撮影)

国家館の入り口(ジェトロ撮影)

写真 中国館の様子(ジェトロ撮影)

中国館の様子(ジェトロ撮影)

写真 中国ブースの貧困脱却までのカウントダウン(ジェトロ撮影)

中国ブースの貧困脱却までのカウントダウン(ジェトロ撮影)

写真 フランス館の様子(ジェトロ撮影)

フランス館の様子(ジェトロ撮影)

写真 ロシア館の様子(ジェトロ撮影)

ロシア館の様子(ジェトロ撮影)

(高橋大輔)

(中国)

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