カナダのトルドー第2期内閣、副首相にフリーランド前外相を起用

(カナダ)

トロント発

2019年11月27日

カナダのジャスティン・トルドー首相は11月20日、第2期政権の閣僚を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした(添付資料参照)。

トルドー首相は10月23日の記者会見で、自由党の少数与党政権による、性別のバランスの取れた新内閣を11月20日に発足させると明言していたが(2019年10月25日記事参照)、2人増員した閣僚36人のうち、女性を18人登用し、第1期政権発足時と同様に男女同数を維持した。ウィリアム・モルノー財務相やデービッド・ラメッティ法相兼司法長官ら8閣僚が留任する一方、少数与党政権として野党や各州政府との関係に配慮するため、カナダ・米国・メキシコ協定(CUSMA、新NAFTA)交渉で手腕を発揮したクリスティア・フリーランド前外相を副首相兼政府間関係相に充てた。また、「中間層繁栄相」「多文化主義・包括・若年層相」の2ポストを新設するとともに、マニトバ州ウィニペグ出身のジェームズ・ゴードン・カー前国際貿易多様化相を中部平原3州(アルバータ、サスカチュワン、マニトバ)特別代表に起用した。自由党は10月の連邦下院選挙でアルバータ州やサスカチュワン州で1議席も獲得できず、マニトバ州でも7議席から3議席を失い、3州への折衝役の設置が急務とされていた。

トルドー首相は20日の記者会見で、「カナダの全国民に関わる重要な課題にともに取り組んでいく、強固で多様な(バックグラウンドを持つ)、経験値あるチームだ」と述べた。

これに対し、野党・連邦保守党のアンドリュー・シア党首は同日の声明外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで、「前政権が肥大化したものにすぎない」と批判した。

また、カナダ商工会議所のペリン・ビーティー会頭は「連邦選挙で議会の顔触れは変わっても、カナダが直面する課題は変わっていない。カナダ人、ビジネス界、投資家も国の内外から、新政権がいかにわれわれの未来を確保するかを注視していく」との声明外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを発表した。

(飯田洋子)

(カナダ)

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