ロシアがフィリピンでの小型武器共同製造と輸出産業への育成を提案
(フィリピン)
マニラ発
2019年11月05日
駐フィリピンのイゴール・コバエフ・ロシア大使は10月22日、小型武器の両国での共同製造およびその輸出をフィリピンに提案していると発表した。同大使は「ロシアの技術をフィリピンに提供し、フィリピンで小型武器を共同製造し、小型武器をフィリピンの輸出産業に育成することをフィリピン政府に提案している」とした上で、「フィリピンが防衛産業を自国の産業として発展させることは、長期的な視点でフィリピンとロシアの両国の協力関係の構築につながる」とし、「ロシアは政治的条件なしで、フィリピンに協力する準備ができている」と説明した。
フィリピンのドゥテルテ大統領は10月3日、ロシアのプーチン大統領とロシア南部のソチで会談を行い、フィリピン国軍の武器調達先の多角化の重要性を強調し、同盟国の米国だけではなく、ロシアからも武器を調達する意向を示していた(2019年10月15日記事参照)。
フィリピン統計庁(PSA)によると、フィリピンの武器(HSコード:93類)の輸入は、2016年に5,000万ドル、2017年に8,140万ドル、2018年に1億1,157万ドルと年々増加する一方で、輸出は2016年に4,736万ドル、2017年に3,037万ドル、2018年に5,534万ドルと一定水準を保っている。ロシアからの武器輸入は、2016年はゼロ、2017年は9万ドル、2018年は2万ドルにとどまっており、2018年は国別輸入元で26位と高くない。また、フィリピンからロシアへの輸出は2016年に25万ドル、2017年はゼロ、2018年は4万ドルとなっている。
(坂田和仁)
(フィリピン)
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