第3四半期の輸出入、ともに好調を維持

(スイス)

ジュネーブ発

2019年11月06日

スイス連邦関税局は10月17日、2019年第3四半期(7~9月)の貿易統計を発表した外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます。輸出は、最大輸出品目の化学品・医薬関連品の伸びが好調で、機械類などの減少を補い、前期比0.9%増の587億スイス・フラン(約6兆4,570億円、CHF、1CHF=約110円)となった。輸入は、宝飾品など中東からの輸入急増もあり、1.8%増の528億CHFとなった。貿易収支は、前期比4億CHF減となったものの59億CHFの黒字を確保した。

輸出を品目別にみると、化学品・医薬関連品(前期比2.7%増)、繊維・衣類(3.9%増)、製紙・印刷・出版物(50.6%増)が伸びた(表1参照)。化学品・医薬関連品は2期連続して伸びており、今期は特に医薬品(5.1%増)、有効成分(6.5%増)が貢献した。一方、機械および電気・電子機器(3.0%減)、金属(2.4%減)、輸送用機器(4.3%減)は減少した。

表1 2019年第3四半期の主要品目別輸出入(通関ベース)

輸出を国・地域別に見ると、欧州向け(前期比1.4%減)が減少した一方、アジア(0.2%増)は微増、北米(2.9%増)が増加した。米国は2019年第1四半期(1~3月)から継続して伸びている。アジアでは、特に日本(11.3%増)が増加したが、これは医薬品の輸出(8億6,300万CHF)の影響が大きい。

表2 2019年第3四半期の主要国・地域別輸出入(通関ベース)

輸入を品目別に見ると、装身具・宝飾品(前期比11.3%増)、輸送用機器(5.1%増)、時計(5.6%増)、精密機械・医療機器(3.2%増)は増加した。一方で、機械および電気・電子機器(2.3%減)、金属(7.6%減)プラスチック(3.4%減)、製紙・印刷・出版物(20.7%減)は減少した。

輸入を国・地域別に見ると、欧州全体(1.5%減)は減少したが、その中でスペイン(11.7%増)、英国(17.4%増)は4期連続で増加している。アラブ首長国連邦からの輸入は宝飾品を中心に好調で、主要国で最大の増加率(88.7%増)を記録し、アジアが増加(10.8%増)した。中国(6.5%増)、日本(0.3%増)が微増する一方で、香港(13.9%減)は目立って減少した。

(城倉ふみ)

(スイス)

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