通関事業者の質向上を目指し、税関が協力強化へ

(ベトナム)

ホーチミン発

2019年10月25日

ベトナムで通関事業者の管理などを見直す財務省通達22/2019/TT-BTC(12/2015/TT-BTCの一部修正・補足)が7月1日に施行され、税関総局は地方税関に対し、「2019~2021年の通関事業者の質の向上および強化計画」の実行を指示した。税関総局の調査によると、通関事業者が通関手続きを代理申告するケースはわずか9.9%となっている上、関税評価やHSコード、原産地などに関する最新知識を持たない事業者が多く、信用度も低いという。

サービスの質や手続きの煩雑さのほか、コスト面が原因となり、多くの輸出入企業は通関事業者と委託契約を締結していないという。通常、輸出入企業が自ら通関手続きを行うか、他の輸出入業者に自社の電子署名やVNACCSアカウントを貸与し、その企業の通関手続きを代行させる事例がみられる。これらの中には、代行を依頼した輸出入企業の電子署名などを不正利用して密輸や虚偽申告などの違反を行うケースがあり、問題となっている。

ホーチミン市税関局の担当者は「自社の電子署名などを他の企業や個人に貸与することは密輸や不正貿易を誘発する」と警告する。このような問題を未然に防止し、企業の円滑な通関手続きを確保するため、同局はコンプライアンスの高い通関事業者と協力協定を締結している。「協定に基づき通関事業者に対して最新法令などを提供し、サービスの向上を支援している。一定の条件を満たす通関業者との協力を今後も拡大する予定だ」と語った。

(小林亜紀)

(ベトナム)

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