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農機製造の現地化推進、政府・自動車業界が支援

(ウズベキスタン)

タシケント発

2019年10月03日

中央アジアの農業大国・ウズベキスタンでは、農機製造の現地化推進に力を入れている。シャフカト・ミルジヨエフ大統領は、2019年7月31日付大統領決定第4410号「農機製造の加速的発展と農業分野への農機供給に向けた政府支援に関する方策について」を採択。農機製造に対して、政府による大規模な支援(注1)を行い、製造工程の現地化と輸出を促進することを決定した。現地化の技術面では、自動車産業が支援する。同国で農機製造を担うウズアグロテフサノアトホールディング(注2)第1副会長のウミジャン・サリモフ氏に話を聞いた(9月19日)。

(問)現在のラインアップ、外国企業との協業関係について。

(答)大型トラクターについてはニューホラント(New Holland、米国)との合弁、中型トラクターとコンバインはクラース(CLAAS、ドイツ)との合弁で製造し(ともにウズベキスタン側が株式の51%を保有)、中・小型トラクターは自社ブランドで製造・販売している。土の破砕やならしを行う馬鍬(まぐわ)ではレムケン(LEMKEN、ドイツ)、ショベルカーはアムコドール(AMKODOR、ベラルーシ)、そのほかではロストセリマシ(Rostselmash、ロシア)と合弁で事業を行っている。当社は傘下に12の企業を抱え、全グループの従業員は約2,500人だ。

(問)現地化への取り組み状況について。

(答)製品ごとに異なるが、現状の現地化の水準は20~36%。現在はエンジン、トランスミッションなどを国外から輸入し、自分たちで製造・塗装した運転席や外装部品を合わせて組み立てている。2022年までに現地化比率を70%(注3)まで引き上げる。トランスミッションの現地化が最重要で、新しい鋳造ライン(注4)、(鋳造部品の切削・加工を行う)マシニングセンタの導入を急ぎ進めている。鋳造工程はゲムコ(Gemko、オランダ)との間で技術支援契約を締結している。ワイヤーハーネスなどの電気系統、ゴム製品、ガラスやランプ、プラスチック、冷却系、燃料系部品などの供給はグループ会社のほか、自動車部品製造企業から供給を受けることも想定している。

(問)現在の生産能力と今後の予定。

(答)現在の年間生産台数1,200台を、将来的に1万2,000台まで拡大させる。ウズベキスタンでは、ソ連時代から使われている古い農業機械が市場の85%程度を占めており、買い替え需要も期待できる。ベラルーシ、欧州、トルコ、中国などから完成品が流入しているが、現地化を進めて価格を下げることで、(外国製品より)優位に立てるだろう。

(問)日本企業との協業の可能性について。

(答)3つの分野で可能性がある。1つ目は、当社にないラインアップの小型農機分野。ウズベキスタンでは温室栽培の需要・資材輸入が大幅に伸びており、温室・ビニールハウスの中でも利用できる小型の農機に取り扱いに関心がある。2つ目は、製造工程の現地化に当たっての協力。a.鋳造、b.ディスク部品、c.プラスチック成型、d.ギア・シャフト、e.油圧シリンダー製造分野での合弁企業などの設立。3つ目は、当方が必要とする資金面での日本の金融機関との協力(注5)だ。

写真 ウズアグロテフサノアトホールディングのウミジャン・サリモフ第1副会長(2019年7月就任)。前職はウズアフトサノアト(自動車公社)副会長(ジェトロ撮影)

ウズアグロテフサノアトホールディングのウミジャン・サリモフ第1副会長(2019年7月就任)。前職はウズアフトサノアト(自動車公社)副会長(ジェトロ撮影)

写真 DMG森精機のマシニングセンタ6台を鋳造部品加工用に導入(ジェトロ撮影)

DMG森精機のマシニングセンタ6台を鋳造部品加工用に導入(ジェトロ撮影)

写真 ソ連時代の鋳造設備を撤去し、ドイツ、日本、フランスから新規に導入の予定(ジェトロ撮影)

ソ連時代の鋳造設備を撤去し、ドイツ、日本、フランスから新規に導入の予定(ジェトロ撮影)

(注1)免税措置、輸送費の補助、入札手続きの省略など。

(注2)「ウズベキスタン農業技術公団」の意。

(注3)大統領決定第4410号で記載されている現地化目標は60%。

(注4)同決定では、4,200万ドルの事業として記載されている。

(注5)同じく同決定では、ウズアグロテフサノアトホールディング、アサカ銀行に対し、外国金融機関からのクレジットラインの設定を認めている。

(高橋淳)

(ウズベキスタン)

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