マハーラーシュトラ州議会選、現政権連合が勝利するも議席減

(インド)

ムンバイ発

2019年10月28日

インドのマハーラーシュトラ(MH)州で実施された州議会選挙の開票結果が10月24日に発表された。これによると、インド人民党(BJP)と地域政党シブセナの与党連合の獲得議席が過半数に達し勝利した。ただし、BJPの議席は前回を大きく下回っており、今後の政権運営への影響が懸念される。

5年に1度改選されるMH州議会選挙では288議席が争われる。デベンドラ・ファドナビス州首相が所属するBJPは前回から17議席減らして105議席を獲得した。シブセナも根強い支持を集めたが、56議席と前回から7議席減らした(表参照)。他方、野党側は、国民会議党(NCP)が前回から13議席伸ばし54議席、国民会議派(INC)も2議席増の44議席を獲得した。

表 MH州議会選での獲得議席数

与党連合は今後、数週間以内に州首相(Chief Minister:CM)を選出し、組閣した上で新政権を正式に発足させる見込みだ。第1党を維持したBJPは州首相を党内から選出するが、前回から大きく議席を減らしたこともあり、組閣での影響力は低下するとみられる。連立相手のシブセナはこれまで以上の要職をBJPに要求するとの見方が強い。

政策の大きな変更は見込まれず

インドでは州政府の権限が強く、独自の労働規制や環境規制の導入、投資インセンティブの決定などを行うこともある。従って、州政府による政策の変更などは日系企業の事業運営にも大きな影響を与え得る。2019年5月の選挙で政権が交代した南部アンドラ・プラデシュ州では、新政権が段階的な禁酒州への移行を発表。ある州では政権交代後、前政権が約束していた外国直接投資に対するインセンティブをほごにしたという話も聞かれる。

ただし、今回のMH州の選挙では、与党連合は議席を減らしたものの最大勢力を維持しており、政策などに大きな変更はないとの見方が大半を占めている。

(比佐建二郎)

(インド)

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