小売店などで紙レシート発行を禁止する法案、米カリフォルニア州議会で廃案に

(米国)

サンフランシスコ発

2019年10月01日

複数の現地報道などによると、米国のカリフォルニア州議会で審議されていた紙レシートの発行を禁止する法案(Assembly Bill 161、以下AB161)が8月30日、議会上院歳出委員会で審議未了のまま、廃案となった。AB161は、米国森林・製紙協会(AF&PA)などが反対していた。

AB161は次の内容を含んでいた。(1)現金、クレジットまたはデビット取引での支払いを受け付けている事業者と定義された場合、消費者からの要求がない限り、紙レシートの印刷を禁止する。(2)特定の化学物質を含む紙のレシートや、取引に不要なクーポンや広告を印刷したレシートの提供を禁止する。(3)州、地区または市の司法長官に権限を与え、2回の違反の警告後、それ以降の違反に対しては1日ごとに25ドル、年間300ドルを超えない範囲で罰金を科す。なお、同法案は当初、紙レシートの印刷を廃止して、電子レシートの発行を求める内容も含まれていたが、審議の過程で削除された。

法案を提出したカリフォルニア州議会下院議員のフィル・ティン氏は、自身のツイッターで「カリフォルニア州を無駄でしばしば有毒な紙レシートから遠ざける私の法案(AB161)は今年は前進しない、残念だ」「変化には時間がかかる」とコメントした。「ロサンゼルス・タイムズ」紙(電子版8月30日)によると、ティン氏は2020年に再び同法案を議会に提出する見込みだ。

(石橋裕貴)

(米国)

ビジネス短信 d8d4a6749095e9b3