江蘇省、工場爆発事故を受け、化学工業メーカーの閉鎖・撤退の動きが続く

(中国)

上海発

2019年10月01日

江蘇省は、2019年3月21日に発生した江蘇省塩城市の江蘇天嘉宜化工の工場爆発事故を受け、「江蘇省化学工業業界整理改善方案(意見募集稿)」(2019年4月23日記事参照)を通知し、「江蘇省化学工業安全環境保護整備向上方案」(2019年5月10日記事参照)を発表するなど、化学工業の安全生産と環境保護のレベルアップに関する取り組みを行ってきた。こうした中、江蘇省の環境関連部署は2019年9月、「江蘇省化学工業産業の安全環境保護整備向上に向けた2019年の目標任務」(以下、任務)を発表した。

報道によれば、対象となる化学工業メーカーは4,022社で、その内訳をみると、閉鎖・撤退予定企業が1,431社、生産を停止して問題を是正する企業が267社、期限内に問題を是正する企業が1,302社、移転企業が77社、整備してレベルアップを図る企業が945社だった。2019年内には、579社を閉鎖・撤退させる計画となっている(表参照)。

表 任務の概要

江蘇省の環境関連部署(化学工業安全環境保護整備向上グループチーム)は、化学工業メーカーと化学工業園区をそれぞれ評価した上で、上記の各措置を決定したとしている。

「江蘇省化学工業業界整理改善方案(意見募集稿)」では、2020年末までに一定規模以上の化学工業メーカー2,000社を減らすとして、大きな議論を巻き起こした。今回の通知では具体的な数値目標が記載されており、化学工業分野では安全生産と環境保護を優先し、化学工業メーカーを閉鎖、移転させる動きが今後も続くとみられる。

(高橋大輔)

(中国)

ビジネス短信 d74a54d4a2a38b31