米USTR、対中追加関税リスト1、2の適用除外品目を新たに発表

(米国、中国)

ニューヨーク発

2019年10月03日

米国通商代表部(USTR)は10月2日、発動済みの対中追加関税リスト1、2にかかる適用除外品目を官報で新たに発表した(注1)。これまでの発表を含めると、リスト1(対中輸入額340億ドル相当の818品目)は8回目、リスト2(160億ドル相当の279品目)は3回目の発表となる(注2)。

リスト1、2で合計203品目が追加関税の対象外に

今回発表された適用除外品目はリスト1で92品目外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますリスト2で111品目外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(注3)の合計203品目となっている。いずれも10桁のHTSコードの中で、USTRが記載した製品詳細に適合する品目に限定される。従って、同じ10桁のHTSコードにかかる品目でも、USTR記載の製品詳細に合致しない場合は適用除外とならない。これまで発表された適用除外品目と合わせると、リスト1が726品目、リスト2が269品目、リスト3が48品目の合計1,043品目となる。なお、リスト4の追加関税については、その一部が9月1日に発動されているが(2019年8月30日記事参照)、適用除外手続きは10月2日時点で発表されていない。

今回、適用除外とされた品目で、2018年の対中輸入額が大きいものを挙げると、HTSコード2桁の分類で85類(電気機器およびその部分品など)、84類(原子炉、ボイラーおよび機械類ならびにこれらの部分品)、90類(光学機器類および部分品など)、73類(鉄鋼製品)となっている。適用除外となった品目を含むHTSコード10桁の対中輸入額を、2018年のデータでみた場合に上位にくるものとしては、リスト1ではゴルフカート用ワイヤー、民間航空機用のギアヘッドアセンブリおよび同部品、リスト2ではエンジン制御ユニット用集積回路(ASIC)、電子制御機器(電気信号変調用で60ドル以上70ドル以下のもの)などが挙げられる(添付資料参照)。

適用除外の効力は、それぞれの追加関税賦課が開始された日に遡及(そきゅう)して適用され、有効期間は本官報発表から1年間となる。よって、リスト1は2018年7月6日から、リスト2は2018年8月23日から、いずれも2020年10月2日までとなる。既に支払った関税の還付手続きについては、税関国境保護局(CBP)が今後、発表する。USTRは今後の審査結果の発表について、「定期的(on a periodic basis)」に行うと述べるにとどめている。今回は発表がなかったが、リスト3にかかる適用除外申請は9月30日に締め切られた。

(注1)リスト1の品目別適用除外制度の概要については2018年7月12日記事を、リスト2の制度概要については2018年9月19日記事を、リスト3の制度概要については2019年6月24日記事を参照

(注2)リスト1に関する1回目の適用除外対象品目の発表は2018年12月28日(2019年1月4日記事参照)、2回目は2019年3月25日(2019年3月28日記事参照)、3回目は4月18日(2019年4月18日記事参照)、4回目は5月9日(2019年5月13日記事参照)、5回目は6月4日(2019年6月5日記事参照)、6回目は7月9日(2018年7月16日記事参照)。リスト2に関する1回目の適用除外対象品目の発表は7月31日(2019年8月1日記事参照)。リスト3に関する1回目の適用除外対象品目の発表は8月7日(2019年8月7日記事参照)。リスト1に関する7回目、リスト2とリスト3に関する2回目の適用除外対象品目の発表は9月20日(2019年9月24日記事参照)。

(注3)2020年7月16日付官報外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで、リスト2の3回目に発表された適用除外品目群に、交流モーター(ギアボックスや遊星歯車向け、5.8~14.92キロワット)(HTS8501.52.4000の一部)が追加されている〔注3は2020年10月7日に追記〕。

(磯部真一)

(米国、中国)

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