EU首脳、アルバニア、北マケドニアとのEU加盟交渉開始を呼び掛け
(EU、欧州)
ブリュッセル発
2019年10月04日
欧州理事会のドナルド・トゥスク常任議長と欧州議会のダビド=マリア・サッソーリ議長、欧州委員会のジャン=クロード・ユンケル委員長、ウルズラ・フォン・デア・ライエン次期委員長は10月3日、各機関の関係者に宛てた4者連名書簡で、アルバニア、北マケドニアの2カ国のEU加盟交渉を開始すべきと表明した。
ブレグジット問題に揺れるEU、今後の加盟国拡大に動く
欧州委員会は5月29日、EU理事会に対して2カ国との加盟交渉開始を勧告していたが、一部加盟国の慎重姿勢もあり、EU理事会は6月18日付のEU拡大に関する声明で、10月をめどに最終判断を行う方針を示していた。
4首脳は、アルバニア、北マケドニアとの加盟交渉開始を今決定するかどうか、EUの約束を守る能力、将来を見据える能力が試されているとした。英国のEU離脱(ブレグジット)問題に直面し、EUの求心力低下が指摘される中、1つの「試金石」と位置付けていると考えられる。4首脳は、2カ国のEU加盟を実現するためには多くの努力や改革が必要であり、成功する保証はないとの認識を示したが、これまでのEU側の要請に両国が適宜対応してきた点を評価。この2カ国とEUの市民の相互の利益のため、EUも協力を深めていく必要があるとして、今こそ、加盟交渉開始の好機との認識に達したとしている。
北マケドニアは2004年3月にEUへの加盟を申請し、2005年12月にEU理事会から加盟候補国認定を取得した。アルバニアは2009年4月にEUの加盟申請をし、2014年6月に加盟候補国として認定された。
(前田篤穂)
(EU、欧州)
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