日本産半導体製造装置の輸入は減少、半導体主要材料2品目は増加

(韓国)

ソウル発

2019年10月30日

韓国貿易協会は10月17日、2019年1~9月の輸出入統計を発表した。それによると、輸出は前年同期比9.8%減の4,061億400万ドル、輸入は4.7%減の3,774億2,300万ドルとなった。貿易黒字は前年同期に比べ縮小したものの、286億8,100万ドルを記録した。韓国産業通商資源部は輸出の減少について、米中貿易摩擦など対外要因の影響があったとし、日本による輸出管理制度運用見直しの影響は限定的だったと分析した。

輸出を品目別(韓国独自コードのMTI3桁ベース)にみると、主要品目の半導体、石油製品、自動車部品などが減少した(表1参照)。

表1 韓国の主要品目別輸出

地域別にみると、北米を除く全ての地域が減少した(表2参照)。国別では、米国が自動車、自動車部品、半導体、石油製品などが増加し、前年同期比3.6%増になり、中国は半導体、平板ディスプレー・センサー、石油製品、合成樹脂などが減少し、18.1%減となった。日本は、石油製品、精密化学原料、半導体、自動車部品などが減少し、5.6%減だった。

表2 韓国の主要国・地域別輸出

輸入を品目別にみると、原油、天然ガス、石油製品、石炭、半導体製造装置などが減少し、半導体、無線通信機器、衣類の輸入が増加した(表3参照)。

表3 韓国の主要品目別輸入

地域別にみると、北米、大洋州、中南米を除く地域が減少した(表4参照)。国別では、米国は原油、液化石油ガスなどが増加し、前年同期比6.1%増となり、中国は半導体、無線通信機器などを中心に3.7%増だった。日本は半導体、半導体製造装置などが減少し、11.5%減となった。

表4 韓国の主要国・地域別輸入

なお、日本の経済産業省が7月1日に発表した「大韓民国向け輸出管理の運用の見直しについて」を受け、7月4日から韓国が包括輸出許可制度の対象国から外され、個別許可が必要となった半導体材料3品目(レジスト、フッ化水素、フッ化ポリイミド)の輸入は、フッ化水素のみが30.3%減となり、レジスト、フッ化ポリイミドはそれぞれ3.3%増、54.7%増となった(表5参照)。

韓国国務調整室は8月28日、報道資料を通じ、国産化に向けた素材産業育成のためのR&D補助金を韓国企業に集中投資することを発表した。

表5 韓国の半導体主要素材の国別輸入額現況

〔諸一(ジェ・イル)〕

(韓国)

ビジネス短信 c661b65c7f45d2e3