1~9月のGDP成長率は7%、年間目標達成へ順調な推移

(ベトナム)

ハノイ発

2019年10月04日

ベトナム統計総局は9月28日、 2019年1~9月の実質GDP成長率(推計値)を前年同期比7.0%と発表した(表参照)。四半期別では第1四半期6.8%、第2四半期6.7%、第3四半期7.3%となり、2019年通年の目標値6.6~6.8%に対して、順調な推移を示している。産業別にみると、農林水産業が2.0%、鉱工業・建設業が9.4%、サービス業が6.9%だった。

表 1~9月の実質GDP成長率と消費者物価指数(CPI)上昇率の推移(推計値)

農林水産業が低成長となったが、その原因について、レ・チュン・ヒエウ農業統計局長は「天候不順でコメ、トウモロコシの生産量が大幅に落ち込んだことやアフリカ豚コレラで約29万トンの豚が殺処分されたことが影響した」と述べた。一方、鉱工業・建設業では、製造分野の成長率が11.4%と好調で、経済成長の主要な原動力となった。

製造業の在庫率は72.1%で、前年同期の63.8%より大幅に上昇した。ファム・ディン・トゥイ工業統計局長は「在庫率上昇を心配する声もあるが、ギソン製油所、ビンファスト(自動車)、フォルモサ(鉄鋼)で新たな製品が生産されたばかりで、販売までの在庫が一時的に増えただけだ」と解説した。

2019年のCPI上昇率は3%以下の見通し

1~9月の消費者物価指数(CPI)上昇率(推計値)は前年同期比2.5%で、この3年間で最も低かった。統計総局によると、ガソリンとガスが価格調整された結果、前年同期と比べてそれぞれ3.5%、6.0%の下落となったほか、ホーチミン市の教育費の一部値下げなどがCPI上昇を抑える要因となった。第4四半期のCPIは、医療費の値上げやガソリン価格上昇、豚肉値上げなどによる上昇が見込まれるものの、年間では目標の4%を下回り、3%以下となる見通しが示された。

(グエン・ラン)

(ベトナム)

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