中国電信系の第3通信事業者が事業パートナーを決定
(フィリピン)
マニラ発
2019年10月16日
2019年7月にフィリピン政府から国内第3の通信事業者として事業許可を受けた中国電信(チャイナテレコム)系のディト・テレコミュニティー(注)(2019年7月17日記事参照)は10月3日、ロペス財閥のスカイケーブル・コーポレーションおよび下院議員のルイス・チャビット・シンソン氏が率いるLCSホールディングスを事業パートナーとして選定したと発表した。
スカイケーブル・コーポレーションは、ロペス財閥傘下で国内最大のテレビ放送局ABS-CBNや、シンガポールの政府系投資会社テマセク・ホールディングス傘下の情報通信大手シンガポール・テクノロジーズ・テレメディアが出資する企業で、ディト・テレコミュニティーに対して光ファイバーケーブルを提供する。
一方で、LCSホールディングスは2018年、国内第3の通信事業者の入札の際に名乗りをあげ、ディト・テレコミュニティーと競争して敗れた企業だ。LCSホールディングスの会長のルイス・チャビット・シンソン下院議員は地元メディアに対して、「新しい通信塔の建設の面でディトに協力し、この国でまだ通信手段を持たない国民に通信サービスを提供したい」と説明した。
フィリピン国家通信委員会(NTC)はディト・テレコミュニティーに対して、2020年7月8日までに少なくとも人口の37%に対して通信サービスを提供し、2024年までに84%まで人口カバー率を高め、最低でも毎秒55メガビット以上の通信速度を提供することを求めている。
一方、フィリピン国内では、ディト・テレコミュニティーがフィリピン国軍の基地内で通信設備を提供することが決定したことに対し、国防や安全保障の観点で懸念が生じている。
フィリピンの通信市場は2018年まで、PLDTとグローブテレコムの2社による寡占が続いていた。
(注)中国電信(チャイナテレコム)が40%、ダバオ市出身の実業家デニス・ウイ氏が率いるウデンナ・コーポレーションが35%、傘下のチェルシー・ロジスティックスが25%を保有する合弁企業。
(坂田和仁)
(フィリピン)
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