「対エジプト投資の未来」会議が開催、格付け会社も前向きに評価

(エジプト)

カイロ発

2019年10月09日

アレキサンドリア・ビジネス協会などの主催による「対エジプト投資の未来」会議が9月23日、カイロで開催された。アムール・ナッサール産業貿易相、モハメド・マート財務相のほか、格付け会社ムーディーズのインベスターズサービス幹部らも出席した。

ナッサール産業貿易相は、2020年以降も高い経済成長率を達成するために、製造業の多角化と輸入品の削減に引き続き取り組むとした。2020年には石油分野以外の輸出を約300億ドルに増やすことを目指し、同時に300万人の雇用を提供すると述べた。

次に登壇したマート財務相は、2030年までにエジプトは経済大国を目指すとし、そのために必要な税制改革を推進していくと述べた。具体的には、所得税法や不動産取得税法の改正のほか、工場所有者への優遇措置などに向けた法案を策定中とした。ムバラク大統領の失脚以降に、支払いが滞っていた輸出補助金の支払いについて、新しい補助金プログラムにより企業に返還していくことを明言した。また、財政赤字が改善しているとし、政府債務のGDP比が2017年6月末の108%から2018年6月に90.2%に低下し、今後、2020年6月には83%、2022年6月には77.5%まで改善させていく計画で、債務返済の負担が軽減していくことを強調した。

ムーディーズ・インベスターズサービスのコンスタンチノス・キプロス副社長も登壇し、エジプト経済は前向きに進展しているとし、今後4年間で成長率が5%から6%台に上昇するとの見通しを示した。特に、金融セクターの安定した資金調達構造と貸し付け実績を考慮した上で、エジプトの潜在性を前向きに評価した。

(常味高志)

(エジプト)

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