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フェルガナ地方でニューツーリズムの基盤整備進む

(ウズベキスタン)

タシケント発

2019年10月23日

ウズベキスタンでは2018年2月に日本人のビザ取得義務が撤廃され(2018年2月6日記事参照)、日本から多くの人がビジネスや観光で訪れている。複数のユネスコ世界文化遺産もあり、日本のマスコミにも多く取り上げられるなど「ブーム」の兆しをみせる。サマルカンド、ブハラ、ヒバなどの世界遺産が所在する中部・西部は、観光の「ゴールデンルート」だ。一方、東部フェルガナ地方(盆地)では、独特な伝統文化や自然に注目した「ニューツーリズム」(人や自然との触れ合い、経験を重視する旅行)を振興しようとする動きが出始めている。

2019年6月、フェルガナ地方で初のワイナリーが出資する農村滞在型ホテル「ワイン・ガーデン」が営業を開始した。同ワイナリーが所有する1,000ヘクタールのワイン畑の中にあり、希望すれば、ワイン用ブドウの収穫やワイナリーの見学、試飲などを体験できる。同ホテルの責任者は「営業開始後初の2019年夏シーズンには多くの家族連れが訪れた」とし、「今後、エコツーリズム、アグリツーリズムのコンテンツを増やしていきたい」と語る。

フェルガナ市郊外では、2018年に乗馬センターが建設され、2019年から観光客の受け入れを開始した。フェルガナ産の馬は「汗血馬」と呼ばれ、中国など東方世界では優れた馬の代名詞。2017年6月15日付大統領決定第3057号により、育馬産業、馬術競技振興を目的に乗馬センターの設置が決定され、現在では教育施設や国際大会が開催可能な馬場(室内馬場を含む)が整えられた。同センターの責任者は「現在では週に2日はオランダ、英国、韓国などから旅行客が来訪し、観光と乗馬を楽しんでいる」と話す。

フェルガナ地方の大手旅行会社アル・フェルガニ・ツールのミルザジョン・ユスポフ社長は「フェルガナ地方の文化・自然はニューツーリズムに向いている」と述べる。同地方は山に囲まれ、何世紀にもわたり人口の移動が限られ、文化や伝統を濃く残しているためだ(注1)。ユスポフ社長は「現在、日本からの旅行客はリシタン(陶器で有名)、マルギラン(シルク織物で有名)の定型ルートを回ることが多い。日本からの旅行客には見るだけでなく、伝統料理(注2)、舞踊(注3)、工芸(陶芸やシルク縫製)などの教室(マスタークラス)に参加し、ぜひフェルガナの文化・伝統を体験してほしい」と期待する。同社長によれば、フェルガナ地方では以前から日本語教育が普及しているため、日本語ガイドを見つけることが比較的容易で、個別の要望にも十分応えられるとのことだ。

写真 ワイン畑の中にあるホテル「ワイン・ガーデン」(ジェトロ撮影)

ワイン畑の中にあるホテル「ワイン・ガーデン」(ジェトロ撮影)

写真 乗馬センター「馬の谷」。現在、48頭を飼育。馬に親しむことができる(ジェトロ撮影)

乗馬センター「馬の谷」。現在、48頭を飼育。馬に親しむことができる(ジェトロ撮影)

写真 アル・フェルガニ・ツールのミルザジョン・ユスポフ社長。フェルガナ人は「とにかく客をもてなすのが好き」という(ジェトロ撮影)

アル・フェルガニ・ツールのミルザジョン・ユスポフ社長。フェルガナ人は「とにかく客をもてなすのが好き」という(ジェトロ撮影)

(注1)フェルガナ地方で話されるウズベク語は、最もオリジナルの言語に近いとされる。

(注2)伝統料理の1つ「プロフ」(ピラフ状の焼き飯料理)はフェルガナ産米を利用する。

(注3)他地域(中部サマルカンド、西部ホレズム)に比べ、テンポが緩やかといわれる。

(高橋淳)

(ウズベキスタン)

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