糖分の高いパッケージ甘味飲料の広告、全面禁止へ

(シンガポール)

シンガポール発

2019年10月18日

保健省は10月10日、糖分の高いパッケージ甘味飲料の広告を全面的に禁止する方針を発表した。甘味飲料の広告を禁止するのは、シンガポールが世界で初めてとなる。広告規制の具体的な導入日程など詳細については2020年中に発表する予定で、規制を1~4年かけて導入する見通し。

甘味飲料の広告規制は、保健省が2016年から開始している糖尿病の予防対策の一環。発表によると、広告規制だけでなく、糖分の中~高程度の甘味飲料について、パッケージの前面に不健康であることを示すラベルの表示も求める。ラベルの表示は、パックやボトル、缶入り飲料に加え、粉末飲料、発酵乳、ヨーグルト飲料も対象となる。飲料が「健康」「普通」「不健康」かを、色分けで表示する。ラベルの表示が義務付けられるのは、不健康とされた飲料のみとなる。ただ、健康的と見なされた飲料は、販売促進目的でラベルをつけることは認められる。

砂糖税の導入、糖分の高い甘味飲料の販売禁止については引き続き検討

保健省は2018年12月から2019年1月まで、甘味飲料の規制について一般からの意見公募を行っていた(2018年12月11日記事参照)。公募では、(1)糖分・栄養情報のラベルの義務化、(2)広告規制の強化、(3)飲料メーカー、輸入業者への物品税(砂糖税)課税、(4)糖分の高いパッケージ甘味飲料の販売の全面禁止、の4つの規制案について意見を募った。公募の回答者4,000人のうち、84%がラベルの義務化に賛成し、71%が広告規制を支持した。また、物品税(砂糖税)を65%が支持したほか、糖分の高いパッケージ甘味飲料の販売の全面禁止を48%が賛成した。保健省は、物品税導入と販売禁止についてはさらに慎重な検討が必要だとしている。

(本田智津絵)

(シンガポール)

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