サンパウロ株価指数、社会保障制度改革法案の国会通過を好感し過去最高に

(ブラジル)

サンパウロ発

2019年10月25日

ブラジルを代表するサンパウロ株価指数のボベスパ指数は10月23日、前日比0.15%増の10万7.543ポイントとなり、過去最高を記録した。22日も前日比1.28%増となっていた。

10月22日からの上院本会議が社会保障制度改革法案の2回目の投票で可決し、同法案の上下院審議が完了したことを好感したためだ。

ボベスパ指数は、2016年に当時の政権与党だった労働者党のジルマ・ルセフ大統領(当時)が弾劾されたことを契機に上昇に転じ、ビジネスフレンドリーな政策に軌道修正したミシェル・テーメル副大統領(当時)の在任期間も長期トレンドとしては上昇基調だった。

2019年1月に経済自由化路線を推進するジャイール・ボルソナーロ政権が発足したことを好感して、指数はさらに上昇。その後、社会保障制度改革法案の審議が進展するにつれ、上昇基調がさらに鮮明になっていた。

一方、通貨レアルの対ドルレート(商業レート)終値は、9月以降、1ドル4.17~4.18レアルが最安値だったが、10月22日からの上院本会議で社会保障制度改革法案の2回目の投票を受け、為替は10月17日の1ドル4.17レアルから、法案が可決された23日には4.03レアルまでレアル高が進んだ。

法案の可決により、歳出削減効果は今後10年間で約8,000億レアル(約21兆6,000億円、1レアル=約27円)が見込まれる。ただ、市場アナリストの間では、財政支出削減にはまだ十分ではなく、行政改革による人件費抑制、国営企業民営化のさらなる推進、予算支出における義務的経費の調整が必要だとしている。

(大久保敦)

(ブラジル)

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