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アルゼンチンで上半期の貧困率が上昇

(アルゼンチン)

ブエノスアイレス発

2019年10月10日

アルゼンチン国家統計センサス局(INDEC)の9月30日の発表によると、2019年上半期の貧困率は35.4%(前期比3.4ポイント増)で、うち極貧率は7.7%(1.0ポイント増)となり、いずれも2018年下半期に比べて上昇した(表参照)。2019年上半期の貧困層人口は約1,002万人、うち極貧層人口は約217万人に増加し、2015年12月に発足したマクリ現政権期を通じて、最も高い数値となった。

表 アルゼンチン31都市における貧困率・極貧率(個人)の推移

貧困率は、国内31の都市(人口約2,830万人、2019年時点の総人口推定値は4,494万人)におけるINDECが実施した世帯アンケート調査、および基礎的全体・食料バスケット購入費を基に算出されている。1世帯当たりの基礎的食料バスケット購入費が月額3万379ペソ(約5万6,201円、1ペソ=約1.85円)を下回る収入は貧困層、1万2,246ペソを下回る収入は極貧層と定義している。

貧困率は、2003年上半期に記録した54%が過去最高とされるが、これまでの本調査における算出方法が異なることから、過去の調査結果と比較するのは適切ではないとする民間分析者の指摘もある(「ラ・ナシオン」紙10月1日)。ちなみに、クリスティーナ・フェルナンデス前政権下の2014年以降は、貧困に関連する調査は停止され、2014年から2016年上半期までの間の公式貧困指数は存在しない。この間は、私立カトリック大学など民間機関が調査を行い、フェルナンデス政権時は29%の貧困率だったとしている。マクリ政権では、INDECによる同調査を2016年下半期に復活させ、当時は貧困率30.3%、極貧率6.1%となった。

今回、貧困率が悪化した主な原因として、高インフレによる消費および購買力の低下、経済活動の低迷、失業率の悪化などが挙げられている。8月11日に行われた大統領選挙の予備選挙後の通貨の大幅下落は、再びインフレ率を含む経済指標を悪化させたことから、2019年下半期の貧困率はさらに上昇することが見込まれる。カトリック大学の調査によると、下半期の貧困率は37~38%となる見通しだ。マクリ大統領は、2015年の大統領選挙公約で「貧困の撲滅」を掲げていた。その後、「大統領任期を終了した時点で、貧困率を下げることができていなければ、大統領として失敗したことを意味するだろう」と明言していたことを、各新聞紙が再度、取り上げている。10月27日に行われる大統領選挙に向けて、野党のアルベルト・フェルナンデス大統領候補は「貧困を前にして対策を取らないことほど、ひどいことはない。雇用を創出し、平等なアルゼンチンをつくり上げていく」とツイッターを通じて、マクリ大統領を批判した。

(山木シルビア)

(アルゼンチン)

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