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9月の米失業率は49年9カ月ぶりの低水準に、雇用者数の伸びと賃金上昇は鈍化

(米国)

ニューヨーク発

2019年10月08日

米国労働省が10月4日に発表した2019年9月の失業率は3.5%(表1参照)と、市場予想(3.7%)を下回り、1969年12月(3.5%)以来、49年9カ月ぶりの低水準となった。就業者数が前月から39万1,000人増加し、失業者数が27万5,000人減少した結果、失業率は前月(3.7%)より0.2ポイント低下した。

適当な仕事がみつからずに職探しを断念した者や、不本意ながらパートタイム労働に従事する者(経済的理由によるパートタイム就業者)などを含めた広義の失業率(U6)をみると、前月から0.3ポイント低下して6.9%と、2000年12月(6.9%)以来18年9カ月ぶりの低水準となった。

一方で、労働参加率(注)は63.2%と、前月(63.2%)から変わらなかった。

表1 米国の雇用統計(9月速報)

9月の非農業部門の雇用者数の前月差は13万6,000人増と、市場予想(14万8,000人増)を下回り、前月(16万8,000人増)と比べて増加幅が縮小した。8月から9月への雇用増加の内訳を主要業種別にみると、教育・医療サービスや対事業所サービス業、娯楽・接客業などを中心に増加した(表2参照)。

表2 主要業種別雇用増加数(前月差)の内訳(9月速報)

こうした中、平均時給は28.09ドル(8月:28.10ドル)と、前月比0.04%減(0.4%増)、前年同月比2.9%増(3.2%増)となった。前月比は2017年10月(前月比0.2%減)以来1年11カ月ぶり、前年同月比は2018年7月(2.8%増)以来1年2カ月ぶりの低い伸びとなり、それぞれ市場予想(0.3%増、3.2%増)を下回った。

失業率は約50年ぶりの低水準となったものの、雇用者数の伸びや賃金上昇のペースは鈍化しており、ドイツ銀行チーフエコノミストのトルステン・スロック氏は「全体として(良い面と悪い面が)混在した内容だ」と述べた。特に、最近みられる製造業部門の弱さ(2019年10月7日記事参照)に加えて、雇用者数の伸びも鈍化したことから、貿易紛争が「雇用と経済の両方に下向きの圧力」をかけていることを表しているとした(ブルームバーグ10月4日)。また、求人情報サイトのインディードのエコノミストであるニック・バンカー氏は、雇用者数の伸びと賃金上昇のペース鈍化について、「労働市場が減速している兆候」を示しており、これは「完全雇用に達しているからではなく、雇用主側の(労働需要の)減速、経済成長の鈍化」を表していると述べた(「ワシントン・ポスト」紙10月4日)。

(注)労働参加率は、生産年齢人口(16歳以上の人口)に占める労働力人口(就業者+失業者)の割合。

(権田直)

(米国)

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