メンドーサ州知事選挙は連立与党候補が勝利

(アルゼンチン)

ブエノスアイレス発

2019年10月02日

アルゼンチンのメンドーサ州で9月29日、州知事選挙が行われ、同州最大都市メンドーサ市長のロドルフォ・スアレス候補が勝利した。開票率99.93%時点で、得票率49.88%を獲得した。同氏は、国政の連立与党の一角を占める急進党所属で、現職の知事アルフレド・コルネホ氏の後継者だ。対立候補で、ペロン党急進派の連邦上院議員であるアナベル・フェルナンデス・サガスティ候補(得票率34.97%)ら3候補を大差で破っての勝利だった。

アルゼンチン西部に位置し、アンデス山脈の麓でチリ国境に接する、人口約170万を抱えるメンドーサ州では、州知事選挙が1983年の民政移管以降、今回までに9度行われたが、ペロン党あるいは急進党所属の政治家が州知事を担ってきた。前回2015年の州知事選挙では、コルネホ氏が8年ぶりに急進党から立候補した。

6月9日に行われた州知事選挙の予備選挙では、急進党が得票率で45.11%、ペロン党が37.55%を占めており、急進党がリードを維持できるかに注目が集まっていた。メンドーサ州の急進党陣営は、コルネホ知事の実績もさることながら、フェルナンデス・サガスティ候補が所属するペロン党急進派勢力への警戒感を強調することで、浮動票の獲得に成功した。開票結果を受けてフェルナンデス・サガスティ候補は「この得票率差は克服できない。次の州知事に祝意を表する」として、敗北宣言を行った。

国政の政権与党およびマクリ大統領をはじめとした政権幹部は、スアレス候補の当選に対してSNSなどを通じて祝いの声明を送るとともに、この勝利を10月27日に実施される大統領選挙につなげたいとしている。ただし、有権者は州知事選挙と大統領選挙は別とみており、8月11日に実施された大統領選挙の予備選挙で敗退した政権与党にとっては、大統領選挙に向けて引き続き厳しい状況が続いている。

(紀井寿雄)

(アルゼンチン)

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