アジアが知的財産活動のハブに、WIPOが「世界知的財産指標2019」を発表

(世界)

国際経済課

2019年10月18日

世界知的所有権機関(WIPO)は10月16日、年次報告書「世界知的財産指標(World Intellectual Property Indicators)2019」(プレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)で、2018年の世界の特許、商標、意匠などの出願総数が過去最高に達したと報告した。

特許の出願数は2009年を除いて、2004年から増加を続けており、2018年は前年比5.2%増の333万件に達した。各国・地域における出願数(各国・地域知財庁の特許受理ベース)をみると、中国が154万件(11.6%増)と最も多く、世界の特許出願の46.4%を受理した。中国は2011以降、特許の出願数が世界最大となっており、2位の米国(2018年の出願件数は60万件)を大きく引き離している。日本の特許出願数は世界3位で、前年より1.5%減の31万件だった。

商標の出願数は、前年比15.5%増の1,432万件(推定値)となった。国別にみると、中国の商標出願数が737万件で最多となり、世界の商標出願数の51.4%を占めた。また、2018年に商標出願数が大幅に増加したのは、上位20カ国ではインドネシア(29.1%増)、中国(28.3%増)、インド(20.9%増)、韓国(14.5%増)、英国(12.4%増)となった。

このほか、意匠の出願数は前年比5.7%増の131万件(推定値)で、国別にみると中国の出願受理数が71万件で最多だった。

2018年の特許、商標、意匠の出願活動は、アジアに拠点をおく知財庁の出願受理または記録数が、世界全体の3分の2以上を占めた。WIPOのフランシス・ガリ事務局長は「中国のみで世界の特許出願のほぼ半分を占めたほか、インドも目覚ましい増加を示しており、アジアがイノベーションのグローバルハブになった」と指摘した。

(柏瀬あすか)

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