米オクラホマ州の先住民工場団地にカナダのパイプライン企業進出

(米国)

ヒューストン発

2019年10月29日

米国オクラホマ州の先住民ポタワトミ族の工業団地アイアンホースで10月18日、初の投資案件となるカナダ企業の米国法人プロパイプUSAの起工式が行われた外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます。この工業団地は2014年に外国貿易地域(FTZ)に指定された。FTZ再輸出に対する関税の免除や、輸入に対し関税と連邦消費税の支払いを米国の課税地域に入るまで延期する優遇措置を用意しており、事業者は輸出入のコストを抑えることができる。プロパイプは石油・ガス、下水道用の強化プラスチック製パイプラインを製造している。

起工式には、ジェームズ・ランクフォード連邦上院議員、ポタワトミ族の団体であるCitizen Potawatomi Nation(CPN)のジョン・バレット会長、オクラホマ州政府など今回の投資案件の関係者約100人が出席した。バレット会長は「CPNやオクラホマ州、米国、そしてカナダの企業にとって記念すべき日だ」と歓迎した。

工業団地周辺では、1994年の自然災害で破壊された鉄道橋が2013年に修復、再開されている。ランクフォード議員は「CPNとアーカンソー・オクラホマ鉄道(AOK)、われわれが一体となって再びビジネスできる日がきた。この工業団地からプロパイプの製品が他州へ出荷できれば、州外に向けた取引の良い先例になる」と、工業団地の将来に期待を寄せた。

写真 スピーチするランクフォード連邦上院議員(ジェトロ撮影)

スピーチするランクフォード連邦上院議員(ジェトロ撮影)

製品は工業用地内からオクラホマシティーや他州を結ぶユニオンパシフィックの鉄道網を利用して出荷される計画。同社の工場建設工事は既に始まっており、今後、数十人規模の雇用を予定。2020年の夏には操業が開始される見込みだ。

CPNのジェームズ・コラード計画経済開発局長は「われわれはカナダに続いて第2の投資案件の実現を目指している。アイアンホース工業団地は米国の中央に位置していることから、地理的優位性があり、物流の面で出荷のしやすさが強みだ。特にCPNは、団地のインセンティブに加えて、オクラホマ州が提供する優遇措置の双方が得られ、魅力がある」と述べ、今回の第1号案件の石油化学分野に限らず、幅広い産業分野の日本企業の立地にも期待を寄せている。

写真 プロパイプの起工式の様子(ジェトロ撮影)

プロパイプの起工式の様子(ジェトロ撮影)

(小山勲)

(米国)

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