2018年の総人口は470万人、前回国勢調査から45万人増

(ニュージーランド)

オークランド発

2019年10月07日

ニュージーランド統計局は9月23日、2018年3月に実施された国勢調査結果の第1報外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを発表した。総人口(注1)は469万9,755人(男性231万9,558人、女性238万197人)と、2013年に実施した前回調査よりも45万7,707人増加した。

65歳以上の人口は前回の14.3%から15.2%に増加する一方、15歳未満は前回の20.4%から19.6%へ減少し、少子高齢化の傾向がみられた。

国外出身者比率が27.4%と、前回調査時より2.2ポイント増

人口増加の背景には移民の存在がある。ニュージーランド国外出身者の比率は、前回調査時の25.2%から27.4%に上昇した。また、民族別の比率(注2)では、欧州系が62.2%(337万2,708人)、マオリ系が14.3%(77万5,836人)、アジア系が13.3%(71万8,995人)、太平洋島しょ国系が7.8%(42万1,299人)だった。

データの質に一部弱さも

国勢調査は5年ごとに実施され、当初は2018年10月にも速報値を発表する予定だったが、回収率や一部設問の回答率の低さが原因で発表が遅れていた(2018年11月21日記事参照)。政府は国勢調査のデータに加え、政府の情報などで補完することで対応し、今回の発表になった。そのため、統計局は調査内容の質を5段階(注3)で評価外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますし公表しており、全調査58項目のうち、人口、民族、性別など適正(Moderate)以上が43項目(74.1%)ある一方、家族や世帯に関するデータは最低評価(Very poor)となっている。

今回の国勢調査結果を受け、2020年9月の総選挙の定数が決まった。国会は1院制120人の議員で構成され、小選挙区比例代表併用制(MMP)(注4)を採用しており、小選挙区の議席数は、人口分布により変動する。次回選挙では、北島が1人増の49人、南島、マオリは前回と変わらず、それぞれ16人、7人が小選挙区にて選出され、残り48人が比例代表となる。

(注1)2018年3月6日時点。

(注2)民族別人口は複数回答もあるため、合計額が総人口を上回る。比率は有効回

答数を母数とした。

(注3)Very poor、Poor、Moderate、High、Very Highの5段階。

(注4)日本の衆議院選挙で採用されている小選挙区比例代表並立制に類似し、有権者は小選挙区票と政党票を投じる。各党の最終的な議席配分は政党票得票率を基準に算出される。

(奥貴史)

(ニュージーランド)

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