ルーマニアの株式市場、「フロンティア」から「第2新興国」へ格上げ

(ルーマニア)

ブカレスト発

2019年10月04日

大手グローバルインデックスプロバイダーのフッツィーラッセル(FTSE Russel)は9月26日、ルーマニアの株式市場の格上げを決定した。同社による市場分類は「先進国」「第1新興国」「第2新興国」「フロンティア」の4種類ある(添付資料参照)。ルーマニアは、従来の「フロンティア」から、2020年9月以降は「第2新興国」に分類が変更されることになる。

ルーマニアは2016年9月から、格上げ可能性のある国としてウオッチリストに入っていた。2019年3月時点では、ルーマニアのほかにも、アルゼンチンとベトナムの2カ国が「第2新興国」への格上げ候補になっていたが、これらの国よりも一足早く、ルーマニアが格上げ決定を受けた。フッツィーラッセルによれば、格上げに必要な9つの条件のうち、ルーマニアは最後に残されていた「流動性」をクリアした。具体的には、評価項目「大きなグローバル投資をサポートするために十分な、広範な市場流動性」の評価が「制限付き」から「適合」へと改善した。ブカレスト証券取引所(BVB)によると、2017年には10億レイ(約250億円、レイはレウの複数形、1レウ=約25円)を超える4つのIPO(新規株式公開)が行われた。2018年に入っても、資本市場の活況が続く中、隣国モルドバの大手ワインメーカーであるプルカリワイナリーが2018年2月、BVBにおいて49%のIPOを実施し、約4,000万ユーロの調達に成功して上場を果たした。

BVBには現在、84企業が上場しているが、1日当たりの株式売買高は860万ユーロ程度(2019年)と非常に小さい。今回の格上げによって、ルーマニアが国内外の投資家の関心を集め、株式市場の価値を高めていけるかが注目される。

(水野桂輔)

(ルーマニア)

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