マニラ市が世界スマートシティ・ランキングで東南アジア最下位

(フィリピン)

マニラ発

2019年10月17日

スイスのビジネススクール「IMD World Competitiveness Centre」は10月3日、世界のスマートシティ・ランキング「IMD Smart City Index 2019外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」を初めて発表し、マニラ市が世界の主要102都市中94位で、東南アジア主要8都市中の最下位となった(表参照)。ただし、最下位と評価されたマニラ市は、マニラ首都圏の中の行政都市の1つのマニラ市で、マカティ市などを含むマニラ首都圏全体を評価したものではない。

同ランキングは、世界の主要102都市を対象に、インフラの充実度合いや最先端技術の提供度合いを基準に評価し、健康、安全、移動、緑化、就業・就学機会、統治といった面で、各都市がどれだけスマートシティ化しているか指数化したものだ。

世界主要102都市中のトップ10は、1位から順にシンガポール、チューリヒ、オスロ、ジュネーブ、コペンハーゲン、オークランド、台北、ヘルシンキ、ビルバオ、デュッセルドルフとなった。東南アジアは8都市が調査対象とされ、順位が高い都市から、シンガポール(1位)、ホーチミン(65位)、ハノイ(66位)、クアラルンプール(70位)、バンコク(75位)、マカッサル(80位)、ジャカルタ(81位)、マニラ市(94位)となった。

マニラ市が東南アジアで最も低い順位となった理由として、特に大気汚染、交通渋滞、公共交通機関、汚職の面が低く評価されたことが挙げられる。アジア開発銀行(ADB)が9月に発表した資料によると、アジア諸国278都市の中で、マニラ首都圏が最も交通渋滞が深刻な都市として選定されている(2019年10月3日記事参照)。一方で、街中の監視カメラ(CCTV)の設置、就職活動のオンライン化、役所への書類申請手続きのオンライン化については、比較的高い評価を得た。

フィリピン政府は、フィリピン初のスマートシティ計画として、マニラ首都圏の近郊に新都市「ニュークラークシティ」の建設を進めている(2019年8月30日付地域・分析レポート参照)。

表 世界のスマートシティ・ランキング「IMD Smart City Index 2019」

(坂田和仁)

(フィリピン)

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