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英議会、初めてブレグジット新合意を支持するも短い審議日程を拒否、またも離脱延期へ

(英国、EU)

ロンドン発

2019年10月23日

英国議会は10月22日、英国のEU離脱(ブレグジット)をめぐるEUとの新合意(2019年10月18日記事参照)に基づくEU離脱協定法案の最初の採決と、同法案の今後の審議日程に関する採決を行った。議会は法案を支持したが、審議日程は否決し、英国が新合意の下で10月末に離脱する可能性は事実上なくなった。

政府は、新合意(政治宣言案と離脱協定案)の承認を留保する修正動議が可決された(2019年10月21日記事参照)ことを受けて先送りしていた新合意の採決を21日に行おうとしたが、ジョン・バーコウ下院議長が既に審議した合意案を繰り返し審議することを認めず(2019年3月19日記事参照)、採決は実現しなかった。このため政府は、まずEU離脱協定法案の可決を目指すことに転換。同日夜に110ページからなる同法案を提出していた。

22日には法案審議の最初の段階である第二読会が開かれ、同日夜の採決で賛成329票、反対299票で可決。その後にも審議が続くものの、英国議会がブレグジット合意に関する採決を賛成多数で可決したのは今回が初めて。テレーザ・メイ首相時に賛成286票、反対344票で敗れた3度目の離脱協定案採決で5人にとどまった最大野党・労働党からの造反は、今回のEU離脱協定法案採決では19人に増加。ブレグジットをめぐる混乱が長引く中、特に2016年の国民投票で離脱票が多数を占めた選挙区を地盤にする同党議員らは焦りを募らせており、造反が増えた。

しかし、10月末の離脱を目指す政府が提出した下院審議日程案は賛成308票、反対322票で否決された。通常、重要法案の審議は数週間かかるが、22日からわずか3日間で下院の全段階の審議を終えるというもので、労働党の造反組や元保守党議員らの支持を得られなかった。

ボリス・ジョンソン首相は採決後の議会答弁で、ブレグジット合意案が初めて議会で支持されたことを強調しつつ、審議日程が否決されたことに失望を表明。「今や(10月19日に首相が署名せず送った書簡による)議会の離脱延期要請にどう応ずるか、EUが決断する必要がある」と述べ、EUが結論を出すまで法案審議を進めない考えを明らかにした。審議は当面行われない見通し。BBCによると、EUが離脱延期を認めれば、首相官邸はあらためて議会に総選挙を求める意向。しかし、与党・保守党内には短期間の延期で法案通過を目指すべきだと主張する議員もおり、見通しは定まらない。

ドナルド・トゥスク欧州理事会常任議長は「審議停止の決定を踏まえ、また、合意なき離脱(ノー・ディール)を避けるため、EU27カ国に英国の離脱延期要請を受け入れるよう提案する」とツイート。英国は1月31日までの延期を求めており、焦点はEUがどのような延期を認めるかに移った。

(宮崎拓)

(英国、EU)

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