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佐藤繊維、日EU・EPAで広がるビジネスチャンス

(EU、日本、イタリア)

欧州ロシアCIS課

2019年10月04日

ジェトロは9月20日、日EU経済連携協定(EPA)を積極的に活用する佐藤繊維外販部の五十嵐健太(ケネス)課長補佐にその取り組みについて聞いた(2019年10月3日記事参照)。

日EU・EPAをきっかけに、アパレル事業の欧州販路開拓も追い風

佐藤繊維の海外展開は、自社で開発した糸の輸出が9割を占めるが、アパレル事業の海外展開も順調に伸びている。自社ブランドの衣類輸出は現在、フランチャイズで店舗展開を進める台湾をはじめとするアジアが中心だ。欧州では、英国、フランス、ドイツ、イタリアなどに向け、セレクトショップなどへの卸売りを中心に展開しているが、現状はアパレル輸出全体のうち3割程度にとどまる。既存のリピーターが主な顧客で、新規開拓が課題だった中、新たにイタリア・ミラノにあるショールームから引き合いを受け、現在、2020年の展示開始に向けて準備を進めている。ショールームは欧州全体に顧客を抱える上、フランス・パリのファッション展示会「トラノイ(Tranoi)」をはじめとするファッションウィークの時期には、世界中の顧客がショールームを訪れることから、今後、欧州に限らず輸出の強化が期待される。五十嵐氏は、このタイミングでショールームとの契約につながったのも、ショールームオーナーが日EU・EPAの発効を知り、日本の良いアパレルメーカーを探していたことがきっかけだった、と話す。EUでは、完成衣類には10~12%の高関税が課されていたところ、日EU・EPAで即時(2019年2月1日)に撤廃されたことから、直接的なコストメリットはもちろん大きい。さらに、こうした関税メリットの大きな品目では、日EU・EPAが新たなビジネスチャンスを創出している。

同社は2012年以降、トラノイを中心にさまざまな展示会に出展し、固定客の獲得に取り組んできた。展示会への出展は、販路開拓の入り口としては有効だが、膨大なブースが並ぶ中、同社を認識していない顧客が新たにブースに立ち寄ってくれる可能性は低く、効率が良いとはいえなかったという。同社のアパレル事業は現在、まさにこれまでの地道なブランド構築が実を結びつつあり、ミラノのショールームのほかにも、レバノンやイスラエルのバイヤーからの引き合いも受けており、今後、未開拓の中東市場への展開が期待される。

輸出に限らず小売事業でもメリットを実感

なお、同社は自社ブランドのニット糸を活用した事業のほか、自社が運営するセレクトショップ「GEA」で販売するアパレル商品の輸入も手掛けており、こうした商品のEU域内各地から日本への輸入についても、日EU・EPAを活用する。日本の輸入では完成衣類で9.1~12.8%の高額の関税が、同EPAで即時撤廃されたため、製品ごとのメリットは輸出以上だ。自社で直接輸入する商品だけでなく、商社から仕入れる商品の卸値もEPA発効前よりも下がっていると実感している。

写真 独自の目線でセレクトしている「GEA」のラインアップにはインポートの製品も数多い(佐藤繊維提供)

独自の目線でセレクトしている「GEA」のラインアップにはインポートの製品も数多い(佐藤繊維提供)

(根津奈緒美、野々下美和)

(EU、日本、イタリア)

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