貿易黒字を13カ月連続維持、一次産品の輸出回復
(アルゼンチン)
ブエノスアイレス発
2019年10月29日
アルゼンチン国家統計センサス局(INDEC)
は10月22日、9月のアルゼンチンの輸出額が57億4,600万ドル、輸入額が40億200万ドル、貿易収支黒字額が17億4,400万ドルとなり、13カ月連続で貿易黒字を維持していることを発表した(図1参照)。
1~9月の輸出額は479億5,900万ドル、輸入額は384億6,200万ドル、貿易収支黒字額は94億9,700万ドルとなり、前年同期比で見ると、輸出額は4.9%増、輸入額は26.2%減となった(図2参照)。
品目別で9月の実績を見ると、一次産品の輸出額が前年同月比70.2%と大幅に増加している。これは、前年に大干ばつに見舞われ不作だった大豆とトウモロコシの輸出が2019年は順調に回復したためだ。輸入については、資本財以外の全ての項目が前年同期比マイナスとなっており、インフレに伴う国内市場の冷え込みがうかがえる結果となった(表1、表2参照)。
「クラリン」紙(10月22日)は、今後数カ月間は貿易黒字が続くと予測している。通貨切り下げにより国際競争力が高まった結果、輸出が引き続き伸びる可能性が高いこと、前年の歴史的干ばつのため収穫量が激減した農作物の輸出が回復することによる影響が大きいとみている。現地調査会社ABECEBによると、貿易黒字は2019年は約138億ドルとなり、2020年はさらに拡大して約173億ドルになる見通しだ。
(津下みなみ)
(アルゼンチン)
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