「ITUテレコムワールド2019」がブダペストで開催

(ハンガリー)

ブダペスト発

2019年10月01日

国連の専門機関である国際電気通信連合(ITU)が主催するイベント「ITUテレコムワールド2019」が9月9日から12日にかけてハンガリーのブダペストで開催された。イベントには各国政府、企業が参加し、展示会やフォーラム、ネットワーキングが行われた。ハンガリーでの開催は2015年以来2度目で、今回は第5世代移動通信システム(5G)に焦点が当てられた。

日本を含む125ヵ国から約4,000人が来訪し、40カ国超から260 以上の出展者が参加、日本からは6社が出展した。

開会あいさつでオルバーン・ビクトル首相は、デジタル経済が同国のGDPの25%を占め、約40万人の雇用を生み出していることに触れ、「ハンガリーは既に欧州のデジタル経済の中心にいる。今後は欧州全体も同じ流れにシフトすると信じている」と強調した。また、オルバーン首相は農家や病院、小規模集落、また中小企業にもデジタル化の恩恵が与えられるべきと述べた。さらに、デジタルセクター向けの取り組みとして、ハンガリーではインターネットサービスに対する付加価値税に軽減税率が適用されており、税率が欧州で最も低い5%であることにも言及した。

趙厚麟ITU事務総長も開会に当たり、イベントのもう1つの重点テーマである中小企業に関し、「今日のデジタル化の最前線に位置している。(中小企業のデジタル化がもたらす)イノベーションや雇用創出への影響力は非常に大きい」と期待を示した。

また、パルコビッチ・ラースロー技術・革新相は、イベント内でハンガリーの5G戦略を10月末までに提示するとした。また、同国が世界で8位のダウンロード速度となっていると付け加え、5Gによってこの順位がさらに高まると述べた。

シーヤールトー・ペーテル外務貿易相は閉会あいさつで、ハンガリーはEUのデジタル化計画の2年先を行っていると述べ、欧州における新技術の中心地を目指すとした。また、経済成長のためには最新の自動車技術を活用すべきで、そのためにザラエゲルセグ市に自動運転テストコース・ザラゾーンを開設したことにも触れた(2019年6月10日記事参照)。さらに同相は、今後はデジタル技術やインフラが経済成長の重要な要素となると強調した。

(バラジ・ラウラ)

(ハンガリー)

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