ブレグジットに備え、韓英FTAが正式批准に

(韓国、英国)

ソウル発

2019年10月31日

韓国・産業通商資源部は10月28日、「大韓民国と英国間での自由貿易協定(韓英FTA)」が韓国国会の本会議で成立し、韓国内の批准手続きを完了したと発表した。同部は今般の韓英FTAについて、「ブレグジット(英国のEU離脱)をめぐり、英国内の不確実性が高い状況であるものの、韓国はEUの中で2番目に大きな通商相手国である英国と、安定かつ継続した通商関係を確保できることとなった」と評価した。

同日の韓英FTA批准完了を受け、両国は国内手続きを全て完了し、今後、英国がEUから離脱した場合、韓英FTAは自動的に発効する(韓英FTAの主要内容は2019年8月26日記事参照)。

10月2日に韓国・関税庁は、韓国の輸出企業が韓英FTAを積極的に活用できるよう、韓英FTA認証輸出者の申請手続きを簡素化したと発表した。認証輸出者とは、関税当局が原産地証明能力を持っていると認証し、原産地証明書の発行権限を持つ事業者を指す。韓EU・FTAや韓英FTAにおいては、6,000ユーロを超える輸出を行う場合、認証輸出者のみが原産地証明書を作成できると定めている。同庁は韓国の輸出企業の利便性を考慮し、韓英FTA発効前から認証輸出者取得のための特例を提供する。

認証輸出者は、韓英FTAが発効すると、自ら原産地決定基準を満たしているかを審査し、韓英FTA原産地証明書を作成することができる。韓EU・FTA品目別認証輸出者は、別途の拒否申請がない限り、自動的に韓英FTA品目別認証輸出者の資格が与えられる。なお、FTA品目別認証輸出者を新たに申し込む場合、協定発効と同時に韓英FTAが活用できるよう、韓英FTAの発効前から認証申請を受け、審査を行っている。

〔諸一(ジェ・イル)〕

(韓国、英国)

ビジネス短信 5f4696dd739ab81e