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韓国と英国がFTAに正式署名

(韓国、英国)

ソウル発

2019年08月26日

韓国・産業通商資源部は、兪明希(ユ・ミョンヒ)同部通商交渉本部長と英国のエリザベス・トラス国際通商相が、8月22日にロンドンで「韓英自由貿易協定(韓英FTA)」に正式署名したと発表した(注1)。

両国は、6月10日にソウルで韓英FTA交渉の原則妥結を公式に宣言(2019年6月12日記事参照)し、協定文の法律的な検討、国内審議手続きを進め、正式署名をもって両国間の交渉手続きを完了した。同部は、英国の合意なきEU離脱(ノー・ディール)の場合においても、韓EU・FTAでの特恵関税制度を維持し、韓英間の通商関係の連続性と安定性を確保したと表明した。主な内容は次のとおり。

物品関税は韓EU・FTAと同様に

韓英FTAでは、全ての加工製品に対する無関税を維持するため、韓EU・FTAの譲許関税を同様に適用することで合意した。これにより、自動車(10%)、自動車部品(3.8~4.5%)など、韓国の主要輸出品目は従来どおり無関税で輸出できることとなる。現在、対英輸出品目全体の99.6%が無関税(加工製品100%、農産品98.1%)だが、韓英FTAが締結されない場合、平均4.73%の関税が課されることになる。

農業における緊急輸入制限措置(Agricultural Safeguard Measure)は、国内農業のセンシティブ品目(注2)保護への配慮から、EUより低い水準で発動できるよう緩和され、国内需要に比べて生産が少ない麦芽と補助飼料に限っては、関税割当制度(Tariff-rate Quota)で対応することにしている。

原産地および輸送は3年間はEU域内扱い

原産地に関しては、両国企業が既にEUで展開している生産・供給網の調整にかかる期間を考慮し、EU産材料で生産した製品についても、3年間は域内産として認めることを合意した。また輸送では、EUを経由した場合でも3年間は直接輸送したものと見なすなど、韓国企業がEUの物流拠点を経由して輸出した場合も、協定が適用されるよう設定された。

地理的表示(GI)は品目を限定して保護

知的財産権については、英国の酒類2品目、韓国の農産品・酒類64品目に対して、地理的表示(GI)を認め、引き続き保護することを合意した。主なGIは次のとおり。

  • 韓国(64品目):寶城(ボソン)緑茶、淳昌(スンチャン)伝統コチュジャン、利川(イチョン)米、高麗紅蔘、高敞(コチャン)トックリイチゴ、珍島(チンド)紅酒(ホンジュ)など
  • 英国(2品目):スコッチ・ウイスキー、アイリッシュ・ウイスキー(国内の異議申し立てを経た後に保護)

また両国は、韓英FTAの正式署名を契機に、(1)履行期間を確保する際の追加協議、(2)両国間協力の強化、(3)高速鉄道における政府調達での譲許の改善など、3件の書簡にも追加合意し、両国間の協力を強化していくことになった。

まず、履行期間を確保する際の追加協議については、英国がEUとの合意の上で離脱する場合、韓EU・FTAよりも高い水準で2年以内に協定をアップグレードできる根拠条項を設けた。また、経済成長、雇用創出および革新のため、協力ニーズの高い5大分野(産業革新技術、中小企業、エネルギー、農業、自動車)で協力を強化するほか、英国が高速鉄道分野の譲許検討を開始することを合意したという内容も含まれた。

(注1)英国のEU離脱(ブレグジット)以前に両国が国内で韓英FTA批准手続きを完了させて発効する予定。ブレグジット時点で適用開始となる。

(注2)牛肉、豚肉、リンゴ、砂糖、高麗ニンジン、麦芽およびビール用二条大麦、植物性発酵エタノール、加工でんぷん、バレイショでんぷんの9品目。

〔諸一(ジェ・イル)〕

(韓国、英国)

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