9月の米小売売上高は7カ月ぶりの減少、自動車・同部品が押し下げ
(米国)
ニューヨーク発
2019年10月24日
米国商務省の速報(10月16日付)によると、9月の小売売上高(季節調整値)は前月比0.3%減の5,256億ドルと、7カ月ぶりの減少となった(表参照)。8月の売上高は0.4%増(速報値)から0.6%増に上方修正された。
全米小売業協会(NRF)のチーフエコノミストのジャック・クラインヘンズ氏は、個人消費の「長期的トレンド(の堅調さ)や労働市場の逼迫といった要因が示すように、消費者(が支出する際)に有利な点はまだたくさんある」とする一方で、「9月の後退は米中の緊張に対する懸念の高まりに(消費者が)反応した可能性がある」と指摘した(NRFプレスリリース10月16日)。
業種別にみると、自動車・同部品が前月比0.9%減の1,053億ドルと、全体を最も押し下げた。1月(2.0%減)以来、8カ月ぶりの大きな減少となる。次いで、建材・園芸用品が1.0%減の318億ドル、ガソリンスタンドが0.7%減の422億ドルとなった。
増加した業種をみると、衣料が前月比1.3%増の228億ドル、ヘルスケアが0.6%増の298億ドルだった。
民間調査会社コンファレンスボードが9月24日に発表した9月の消費者信頼感指数は125.1と、8月(134.2)より9.1ポイント減少した。内訳をみると、現況指数は169.0(8月:176.0)と7.0ポイント減少し、6カ月先の景況見通しを示す期待指数は95.8(8月:106.4)と10.6ポイント減少した。
コンファレンスボードの経済指標シニアディレクターのリン・フランコ氏は「8月下旬にみられた貿易(摩擦)や関税をめぐる緊張の高まりが消費者(心理)を困惑させた」ことで、現況・期待指数ともに弱まったとした。その上で、「こうした不確実性やボラティリティー(変動性)の傾向は年間を通じて続いており、ある時点で景気拡大に対する消費者の自信を弱め始める」と指摘した。
(樫葉さくら)
(米国)
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