大統領選挙、各種世論調査で野党フェルナンデス候補の優勢続く

(アルゼンチン)

ブエノスアイレス発

2019年10月07日

10月27日に行われるアルゼンチン大統領選挙まで1カ月を切り、野党アルベルト・フェルナンデス候補の優勢が続いている。フェルナンデス候補は、8月11日に実施された大統領選挙の予備選挙で勝利しており、大統領選挙に向けて行われた各種世論調査で、現職のマウリシオ・マクリ大統領と比較して、ポイント差で2桁のリードを保っている。11月24日に予定されている決選投票を待たずして、当選する可能性も高まっている。

現地「クラリン」紙(10月1日)では、国内9の調査会社の最新世論調査結果を取りまとめた(表参照)。それらによると、与党連合「変化とともに」を率いるマクリ大統領は32~39%、野党ペロン党急進派「すべての戦線」のフェルナンデス氏は50%を超える支持率を獲得している。

表 マクリ大統領の選挙キャンペーン(9月28日ブエノスアイレス市内、ジェトロ撮影)

予備選挙以降、両候補者の支持率の傾向に大きな変化はみられていない。例えば、調査会社リカルド・ロービエルによると、フェルナンデス氏の支持率は、49.1%(8月26日)、51.5%(9月6日)、52.9%(9月27日)とわずかながらも上昇している一方、マクリ大統領の支持率は、36.4%(8月26日)、34.9%(9月6日)、34.5%(9月27日)と低下している。

選挙戦も終盤を迎え、マクリ大統領は9月28日からブエノスアイレス市内を皮切りに全国30カ所を遊説する選挙キャンペーンを始めた。「やれば、できる(Si se puede)」をキャッチフレーズに、過去3年半のインフラ改善や汚職の払拭(ふっしょく)などといった長年の課題克服を実績として強調し、2015年まで政権与党だったペロン党の返り咲きを防ぐことを訴え、挽回を目指している。

写真 マクリ大統領の選挙キャンペーン(9月28日ブエノスアイレス市内、ジェトロ撮影)

マクリ大統領の選挙キャンペーン(9月28日ブエノスアイレス市内、ジェトロ撮影)

 (クラウディオ・ボチャタイ)

(アルゼンチン)

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