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マハティール首相、GST再導入に向けた検討の可能性示唆

(マレーシア)

クアラルンプール発

2019年10月09日

マレーシアのマハティール・モハマド首相は10月3日、国民が望むのであれば政府は物品・サービス税(GST)の再導入に向けた検討を行うと発言した。

地元産業界はGST再導入を支持

GSTの再導入について、産業界やエコノミストの反応には賛否両論があるが、特に産業界からは、現行の売上税とサービス税(総称してSST)からGSTへの回帰を望む声が大きい。3,000社以上の製造業が加盟するマレーシア製造者連盟(FMM)は「GSTはSSTに比べて確実で公平な税制だ」と述べ、GST再導入の支持を表明している。FMMは、SSTの導入により免税手続きなどのオペレーションの増加によるビジネスコストの上昇、制度の不透明さがビジネスに影響を及ぼしていると指摘してきた。

しかし、「GSTにも課題はある」として、6%から3%への税率引き下げ、全ての生活必需品・サービスのゼロ税率化、GSTの課税対象者となる売上高基準額の引き上げ、GSTの還付制度の透明化・迅速化などを政府に提案している。GST還付の遅れなどは、多くの進出日系企業も経営上の課題として指摘する問題だ。

頻繁な政策変更に対し懸念の声も

政府の財源という観点からみると、GSTからSSTへの移行の際に懸念されていた点に、税収の半減がある。GST廃止前の2017年の年間税収額は440億リンギ(約1兆1,440億円、1リンギ=約26円)で、歳入の約2割を占めていた。財政安定化を急務とするマハティール政権にとって、GSTの再導入は「昨今の低い原油価格や米中貿易摩擦を背景とする世界経済の低迷の中で、安定的な政府財源となり得る」との見解を示すエコノミストも多い(「ザ・スター」紙10月4日)

他方、GST再導入に消極的な意見としては、物価上昇への懸念、制度を頻繁に変更することで企業マインドや景況感を損ねると指摘する税制の専門家もいる。

マハティール首相は、GST再導入への検討について、10月11日に議会提出予定の2020年予算案で発表するのは難しいと述べ、検討するとなれば予算案発表以降だろうとの見解を示した。GSTは2018年9月1日に廃止、同日からSSTが施行されている(2018年9月7日記事参照)。

(田中麻理)

(マレーシア)

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