トランプ米大統領への弾劾調査を過半数が支持、民主党予備選ではウォレン氏が首位

(米国)

米州課

2019年10月09日

米国コネチカット州のキニピアク大学は10月8日、ドナルド・トランプ米大統領などに関する世論調査結果を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした(注1)。民主党が9月24日にトランプ大統領の弾劾調査開始を発表して1週間後に行われた今回の調査では、過半数が弾劾調査を支持する結果となった。

ウクライナ疑惑(注2)による弾劾調査に賛成するかどうかという問いに対しては、「賛成」が53%、「反対」が43%だった。

他国の首脳に自身の政敵の調査を依頼することは弾劾の十分な理由と思うかという問いには、「思う」が48%、「思わない」が42%と、「思う」が6ポイント上回った。

トランプ大統領がウクライナや中国に対して民主党のジョー・バイデン氏の調査を依頼した目的について質問したところ、「政敵への攻撃」が48%、「汚職摘発」が33%と、2020年の大統領選挙で対抗馬とされるバイデン氏への攻撃が目的と捉えている。

今回の弾劾調査が「合法的」か「魔女狩り」と思うかという問いに対しては、「合法的」が51%と過半数を占めた。「魔女狩り」と答えた割合は43%だった。

トランプ大統領が職権を乱用していると思うかという問いには、「思う」が55%と過半数を占めた。

トランプ大統領は弾劾され罷免されるべきと思うかとの問いに対しては、「思う」が45%、「思わない」が49%だった。民主党支持者では「思う」が85%、共和党支持者では「思わない」が94%と対照的な傾向を示した。

英国経済紙「エコノミスト」と調査会社ユーガブが共同で9~10月に実施した世論調査(注3)では、下院でトランプ大統領の弾劾が可決されれば、上院もそれに従って大統領を罷免すべきかという問いには、「罷免すべき」が46%、「罷免すべきでない」が37%だった。

また、今日、民主党の大統領予備選が行われたら、誰に投票するかという問いに対して、9月に引き続き(2019年9月27日記事参照)エリザベス・ウォレン氏への支持が高く、29%で1位だった。2位以下はバイデン氏(26%)、バーニー・サンダース氏(16%)の順となった(表参照)。

各候補者の詳細は、2019年10月7日記事参照

表 民主党の予備選で誰に投票するか

(注1)調査の実施時期は10月4~7日、対象者は全米の有権者1,483人、うち民主党支持者は646人。

(注2)トランプ氏には、ウクライナのボロディミル・ゼレンスキー大統領との9月の電話協議の際、ウクライナ支援への見返りに、ウクライナのガス会社幹部を務めていたバイデン氏の息子に関する調査を要請した、との疑惑が生じている。

(注3)調査の実施時期は9月28日~10月1日、対象者は全米の成人1,500人。

(松岡智恵子)

(米国)

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