自動運転テストコース・ザラゾーンの近くに研究革新センターを設立

(ハンガリー)

ブダペスト発

2019年10月10日

ハンガリーのパルコビッチ・ラースロー技術・革新相は9月24日、同国西部ザラエゲルセグ市の自動運転テストコース・ザラゾーン(2019年6月10日記事参照)付近に開設された、自動車産業の開発に特化した研究革新センターの開業式に参加し、同センターが産と学をつなぎ、人材育成の場となるインキュベーション施設として機能すると期待を述べた。また同相は、企業の研究・開発やイノベーション関連の活動が高まっており、ハイテク分野の投資環境が同国の経済成長に対して大きな役割を果たしていることに触れ、2019年の予算では1,650億フォリント(約578億円、1フォリント=約0.35円)を研究開発に充てると付け加えた。敷地内ではトライアルや試験の準備、調整や検査ができ、理想的な環境で開発を行うことができるとした。

同センターに出資した民間不動産会社Z-Oneパークの代表モルナール・ガボール氏は地元テレビ局に対し、「センターでは技術開発やプロジェクトデザイン、製品開発、検証などの研究開発プロジェクトが地域の産業界と協力して行われるだろう」と説明した。

また、ハンガリー自動車産業サプライヤー協会が9月24日に開催した会議では、ザラエゲルセグ市長のバライツ・ゾルターン氏が、コースの継続的な開発について市の取り組みを説明した。その例として、労働需要の急増に備えた労働者向けホステルの整備や二元的職業訓練(デュアル・システム)(注)センターの建設計画などを挙げた。同市は、10月に設立予定のブダペストビジネススクール革新情報センターにも10億フォリントを投じる予定とのことだ。産業計画や規制を担当する、技術・革新省のナジ・アダム副大臣によれば、ハンガリー政府は先端科学産業団地の設置を通じてインフラ開発に努めており、今回の研究革新センターの建設は、同市への産業団地の設置に備えたものだと説明した。

なお、ザラゾーンの第1工期は2019年5月に終了しており、第2工期も2020年までに終了する予定だ。

(注)座学と実習を組み合わせて行う教育システム。

(バラジ・ラウラ)

(ハンガリー)

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