アフリカ豚コレラの感染が1万2,000頭に拡大、食肉加工被害は年400億ペソ
(フィリピン)
マニラ発
2019年10月25日
農業省は、アフリカ豚コレラがフィリピン国内で初めて感染が確認(2019年9月13日記事参照)された9月9日以降も感染が拡大し、10月12日までに1万2,000頭の豚からアフリカ豚コレラの感染が確認したと発表したことを、10月14日付の地元各紙が伝えた。
感染が確認された1万2,000頭の豚は全てルソン島で発見されており、特にルソン島のブラカン州およびパンパンガ州を中心に、感染が拡大している。感染が確認された1万2,000頭は、国内の総供給量1,270万頭の0.09%に当たる。
農業省のダール長官は、8月末時点の7,400頭から1カ月余りで1万2,000頭まで感染が拡大したとした上で、10月11日に開かれた閣議でドゥテルテ大統領が感染地域の隔離と、豚と豚肉の国内移動を制限し、監視する政策を承認したと地元メディアに対して説明した。
フィリピン政府はさらに、アフリカ豚コレラの感染によって殺処分された豚1頭につき3,000ペソ(約6,300円、1ペソ=約2.1円)としていた補償金額を、5,000ペソに引き上げることを発表した。
ビサヤ地方やミンダナオ地方など感染が確認されていない地方は、既にルソン島からの豚肉の流入を禁止する措置をとっている。フィリピン食肉加工協会は地元メディアに対して、アフリカ豚コレラの拡大によって、ハム、ベーコン、ソーセージといった豚肉加工製品の売り上げが年間400億ペソ減少すると説明した。フィリピン食肉加工協会によると、ルソン島以外のフィリピン国内の豚肉市場は年間3,000億ペソで、ルソン島を合わせた全国の市場規模の35%から40%を占める。
(坂田和仁)
(フィリピン)
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